専門学校・大学生に不覚 J1勢敗退の天皇杯”ジャイキリ”に代表OB持論「実力差がなくなってきている」【見解】

栗原氏自身も過去にJFLクラブに敗戦した経験あり【写真:Getty Images】
栗原氏自身も過去にJFLクラブに敗戦した経験あり【写真:Getty Images】

栗原氏自身も過去にJFLクラブに敗戦した経験あり

 第104回天皇杯(全日本サッカー選手権大会)は、6月12日に2回戦を開催。J1首位に立つFC町田ゼルビアが筑波大(茨城県代表)にPK戦で、名古屋グランパスが日本で唯一のサッカー総合専門学校であるJAPANサッカーカレッジ(新潟県代表)に0-1で敗れるなど、J1クラブ勢が格下に不覚を取る波乱が続出した。日本代表OB栗原勇蔵氏は、「実力差がなくなってきている」と見解を述べた。

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 J1首位に立つ町田は筑波大戦の前半22分、コーナーキックからMF安井拓也が先制ゴールを奪い、先手を取る。しかし、1点リードして迎えた後半アディショナルタイムにFW内野航太郎に同点ゴールを許すと、延長戦でも決着が付かずPK戦へ。PK戦では町田の3人目、4人目が立て続けに失敗。筑波大がPKスコア4-2で勝利し、大金星を挙げた。

 また、名古屋は、1回戦でアルテリーヴォ和歌山(和歌山県代表)を2-1で下して勝ち上がってきたJAPANサッカーカレッジと2回戦で対戦。攻めあぐねる展開が続くと後半6分、右サイドからのクロスを北信越フットボールリーグ2部得点王の経験を持つ相手FW上元直樹にファーサイドでボレーシュートを決められ、0-1でまさかの敗戦を喫した。

 そのほかJ1勢では、ジュビロ磐田がJ3テゲバジャーロ宮崎に1-2で逆転負けを喫し、2回戦で敗退。アルビレックス新潟はJ3ギラヴァンツ北九州、横浜F・マリノスはJ2のFC岐阜とPK戦にもつれ込む苦戦を強いられたが、ともに勝利して3回戦へ駒を進めた。

 2002~19年に横浜FM一筋でプレーし、04年に天皇杯5回戦で当時JFLだったザスパ草津(現ザスパ群馬)にジャイアントキリングを食らった経験を持つ元日本代表DF栗原氏は、「カテゴリー間の実力差がなくなってきていますね」と率直な感想を語った。

 名古屋や町田は大きくメンバーを入れ替えて天皇杯に臨んでおり、栗原氏は「普段出ていないメンバーで簡単に勝ててしまったら、いい選手だけ集めればよくなってしまう。フルメンバーでいつも戦っていると、メンバーを入れ替えた時にコンビネーションが構築できず、上手くいかないことは結構あります」と指摘。専門学生、大学生相手の黒星に関しては、「そのへんはある程度割り切れるかもしれない」と、胸中をおもんぱかっていた。

(FOOTBALL ZONE編集部)



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栗原勇蔵

くりはら・ゆうぞう/1983年生まれ、神奈川県出身。横浜F・マリノスの下部組織で育ち、2002年にトップ昇格。元日本代表DF松田直樹、同DF中澤佑二の下でセンターバックとしての能力を磨くと、プロ5年目の06年から出場機会を増やし最終ラインに欠かせない選手へと成長した。日本代表としても活躍し、20試合3得点を記録。横浜FM一筋で18シーズンを過ごし、19年限りで現役を引退した。現在は横浜FMの「クラブシップ・キャプテン」として活動している。

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