森保J「W杯2次予選」招集メンバー全35人総評 常連→アピール不足も…株上げ&下げた面々は?【コラム】
アジア2次予選では35人が招集
森保一監督率いる日本代表(FIFAランク18位)は6月11日、ピースウイング広島で行われた初の国際試合の北中米ワールドカップ(W杯)アジア2次予選シリア代表(同89位)戦で5-0の勝利を収めた。アジア2次予選は無傷の6連勝。厳しいアウェー戦や突如の試合中止などを乗り越えて、無失点で戦い抜いた。2次予選の総括として招集された全選手の評価をポジションごとに考察。2次予選前と比べての評価を↑、↓、―(維持)の3段階で表す。(取材・文=FOOTBALL ZONE編集部・小杉舞)
※招集メンバー内訳はJFA公式サイトに基づく
◇ ◇ ◇
■23年11月
第1節 VSミャンマー(H) 5-0 得点者:上田綺世3、鎌田大地、堂安律
第2節 VSシリア(A) 5-0 得点者:久保建英、上田綺世2、菅原由勢、細谷真大
■24年3月
第3節 VS北朝鮮(H) 1-0 得点者:田中碧
第4節 VS北朝鮮(A) 3-0 ※不戦勝
■24年6月
第5節 VSミャンマー(A) 5-0 得点者:中村敬斗2、小川航基2、堂安律
第6節 VSシリア(H) 5-0 得点者:上田綺世、堂安律、OG、相馬勇紀、南野拓実
【GK】4人
鈴木彩艶(出場:2試合)―
大迫敬介(出場:2試合)―
前川黛也(出場:2試合)―
谷 晃生(出場:1試合)―
GKはほとんどシュートも打たれず、ピンチになる回数も少なかったため、大きく評価は変動せず。最終予選を戦い抜く勝負強さを見せるためにはそれぞれ所属クラブで傑出したパフォーマンスが必要となる。パリ五輪組の突き上げもあるだけに、4人ともうかうかしていられない。
【DF】11人
長友佑都(出場:0試合)―
谷口彰悟(出場:4試合)―
板倉 滉(出場:3試合)―
渡辺 剛(出場:1試合)↓
中山雄太(出場:1試合)―
町田浩樹(出場:4試合)―
毎熊晟矢(出場:1試合)↓
冨安健洋(出場:2試合)↑
伊藤洋輝(出場:4試合)↑
橋岡大樹(出場:1試合)↑
菅原由勢(出場:3試合、1ゴール)↓
2次予選前よりもさらに絶対的な存在として期待が大きくなったのは冨安。6月シリーズでは3バックの右に入ったことで、安心して同サイドの堂安&久保を前線へ送り出すことができた。最終ラインは冨安がいるか、いないかで変わってくる。最終予選もチーム作りの核となるだろう。苦しいのが毎熊。負傷もあったものの、3月北朝鮮戦でのベンチ外、6月選外で序列を上げきれなかった。W杯メンバー入りを目指すなら、今夏のステップアップは必須か。第2次政権、一番の成長株とも言える菅原はアジア杯以降、試行錯誤を繰り返している。これまでが最も良かっただけに少し壁にぶち当たった印象もあるが、再び絶対的な存在だと知らしめてもらいたい。
【MF/FW】20人
遠藤 航(出場:3試合)↑
伊東純也(出場:1試合)―
浅野拓磨(出場:2試合)―
南野拓実(出場:4試合、1ゴール)↑
守田英正(出場:4試合)↑
鎌田大地(出場:3試合、1ゴール)↑
相馬勇紀(出場:3試合、1ゴール)↑
小川航基(出場:2試合、2ゴール)↑
前田大然(出場:2試合)↑
旗手怜央(出場:1試合)↑
三笘 薫(出場:0試合)― ※昨年11月に招集も負傷で離脱
堂安 律(出場:5試合、3ゴール)↑
上田綺世(出場:4試合、6ゴール)↑
田中 碧(出場:3試合、1ゴール)↑
川村拓夢(出場:2試合)―
中村敬斗(出場:2試合、2ゴール)↑
佐野海舟(出場:1試合)↓
久保建英(出場:2試合、1ゴール)↑
細谷真大(出場:2試合、1ゴール)↓
鈴木唯人(出場:1試合)↓
全体的に高評価が多く、攻撃の層は厚くなった。佐野は6月の選外が響いた。Jリーグのプレーでは強度を高く保っているが、限定的だった出場時間で決定的な仕事をやり遂げられなかったのが悔やまれる。細谷は昨年11月では堂々とプレーしてゴールも奪ったがアジア杯以降、パリ五輪世代の活動に専念。五輪で結果を残して再び自らの手でA代表入りを目指さなければいけない。同じくパリ世代の鈴木唯は6月シリーズのミャンマー戦で途中出場。ただシリア戦のベンチ外は序列として厳しく、新天地かデンマークでの開幕からスタートダッシュが必要となる。主力級の遠藤、上田、久保は温存もありながらも高パフォーマンスを維持。堂安は2次予選前の序列からは指揮官の信頼を高めた印象。全招集メンバーで唯一の全5試合出場を果たした。6月に好印象だった鎌田、相馬、小川、中村らとボランチ、2列目、1トップと熾烈なポジション争いは続く。