三笘薫&中村敬斗は“共存”できるか? 最終予選でのトライを提言…右サイドの成功再現を考察【コラム】

最終予選では2人が共存する可能性があるのかを考察【写真:高橋 学 & 徳原隆元】
最終予選では2人が共存する可能性があるのかを考察【写真:高橋 学 & 徳原隆元】

三笘は今シリーズ負傷で不参加

 森保一監督率いる日本代表(FIFAランク18位)は6月11日、ピースウイング広島で初の国際試合となる北中米ワールドカップ(W杯)アジア2次予選でシリア代表(同89位)戦に臨み、5-0で勝利を収めた。6日のミャンマー戦(5-0)に続いて攻撃的場3バックにトライし、2試合連続で左ウイングバックの先発を務めたMF中村敬斗が新境地を切り開いた。今シリーズはMF三笘薫が負傷により不在だったが、それをも感じさせない出来となった。そのなかで、9月から始まる最終予選では2人が共存する可能性があるのかを考察する。(取材・文=FOOTBALL ZONE編集部・小杉舞)

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 6月シリーズでの「主役」と言っても過言ではない。中村はミャンマー戦で2ゴール、シリア戦は数字上1アシストだったが、精度の高いクロスなど突破力をさらに磨いていた。

 序盤からサイドを効果的に使っていた日本は前半13分、左サイドで中村が縦に仕掛けて左足で上げた絶妙クロスにFW上田綺世が打点の高いヘディングでゴール。続く19分には再び中村がアウトサイドからMF久保建英へピタリとつけるドンピシャのスルーパスパスを供給。久保から受けたMF堂安律がカットインして左足シュートで追加点を挙げた。この2ゴールで勝負あり。2戦連続スタメンという森保監督の期待に応えたプレーを見せて、45分間でピッチを退いた。

 ミャンマー、シリアという相手と実力差はあれど、アジアカップ時に比べて仕掛ける意識、縦への突破力は各段にレベルアップ。カットインからのシュートだけではなく、“個”で勝ち切る姿も見せた。

 中村に対して何度も問われるのは三笘との序列について。そのたびに三笘へのリスペクトを持って真摯に答えている中村だが、攻撃的な3バックが機能し始めたことで三笘と“共存”する可能性もある。

 シリア戦ではMF堂安律とMF久保建英が“共存”して、2人が良い距離感を保ちつつゴールをこじ開けた。4-2-3-1時のトップ下とウイングという近い関係ではなく、3-4-2-1時には「彼(堂安)が基本的に中にカットインしてくるので、僕としてはあんまり彼に近づきすぎずに、浮いたポジションで受けてターンしようというのを考えていました」と久保が話したように、それぞれの特徴を生かせるよう関係性を作り上げた。

 同じように左サイドなら三笘はカタールW杯でウイングバック起用されており、与えられたスペースを存分に使って強豪国の脅威となっていた。ミャンマー戦のように中村をシャドーに入れて、A代表デビューから10戦8発の高い決定力を生かすこともできる。逆のポジションでも“共存”は可能だろう。

 最終予選の相手は今シリーズの2試合のようにはならないが、新たなオプションの開拓は続けていかなければならない。森保ジャパンのさまざまなイロを見て行きたいものだ。

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