宇賀神「並行して良い戦いをするには…」

　しかし今季は、その期間のリーグ戦成績は年間タイトルに直結する。それだけに、この期間の戦いが占めるタイトルへの割合は大きくなった。宇賀神は「ACLも並行して良い戦いをするためには、リーグ戦も重要です。1シーズン制の方が、より1試合への思いが強くなると思いますよ。この時期の重要度はさらに大きくなったと思います」と、シーズン序盤の戦いが最終的な年間成績を左右すると語った。

　浦和のミハイロ・ペトロヴィッチ監督は「常に最も重要なのは次の試合だ」として多くを語らなかったが、その言葉の裏には、より“捨てゲーム”を作ることができなくなったということもあるのではないだろうか。25年目の節目を迎えたJリーグにおいて、リーグ優勝に対する春先の戦いの重要性は、ここ2シーズンに比べて大きくなったのは間違いないだろう。

【了】

轡田哲朗●文　text by Tetsuro Kutsuwada

ゲッティイメージズ●写真　photo by Getty Images