WEリーグ個人三冠王の清家、海外移籍へ「日本で通用してきたものが通用しなくなる」と予想

【写真:Getty Images】
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清家は今季20ゴールで得点王を獲得

 日本女子サッカーのプロリーグ「WEリーグ」は6月7日、東京都内でシーズン表彰式にあたる「2023-24 WE LEAGUE AWARDS」を実施。三菱重工浦和レッズレディースのMF清家貴子がMVPをはじめ個人賞を総なめにしたが、今後の海外移籍に向けて楽しみな要素の1つを「通用しなくなること」と話した。

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 清家は今季、日本プロサッカーでの新記録となる10試合連続ゴールを含む20得点で得点王に輝いた。浦和は2試合を残してリーグタイトルを決める盤石な戦いぶりを見せたが、清家は全試合出場とコンスタントな活躍を披露。ベストイレブンにも選出されたが、文句なしのMVP初受賞となった。まさにタイトルをすべて獲得するシーズンになった。

 その清家は、すでに今季限りで浦和を退団して海外移籍することが発表されている。チームメイトで海外でのプレー経験を持つFW安藤梢やMF猶本光、なでしこジャパン(日本女子代表)の主将DF熊谷紗希にも相談したと話し、「チーム選びのことや海外での戦い方、最初にガツンと活躍しないとパスをもらえないという話も聞いた」のだという。特に清家は前線のポジションだけに、結果を出すことの比重はより高まるだろう。

 そのなかでは、今季に発揮した得点力は自信になりそうだ。シーズンが半分ほど過ぎたタイミングで安藤と猶本が揃ってシーズンが絶望になる重傷で戦線を離脱し、一時期は弱気になったという清家だが、「自分が点を取らないといけないと思うようになった」という変化が生まれたという。

 そして、メンタル面だけでなく具体的なプレーの変化として、右のサイドアタッカーとしてプレーするなかでも「今までよりも高い位置、中にポジションを取るようになった。私たちのチームを知らない人にはFWのように見えたと思う。それをカバーしてくれるチームメートがあってこそだけど、そのポジショニングのところで点を取れるようになったと思う」と話した。

 清家は海外移籍に向けて「一番は、強くて速い相手に対して日本で通用してきたものが通用しなくなる。技術やタイミングの部分を伸ばしていかないといけない。それが楽しみ」と、強みを生かすことよりも新たな武器や弱点の克服が必要になる環境に身を置くことを前向きに話した。

 名実ともに今季の国内で最も輝いた女子サッカー選手なのは間違いない。今夏のパリ五輪について「選ばれるといいなと思って待っている」として、「女子ワールドカップでの悔しさは世界の舞台でしか晴らせないと思うので金メダルを取りたい」と意気込むが、その先でさらに輝く姿が期待される。

(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)



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