森保Jが「オプションを学んだ」…3バック圧勝劇に英記者が熱視線「失望を過去のものに」【コラム】
ミャンマーを一蹴した日本、3バック採用の戦いぶりに英記者が注目
森保一監督率いる日本代表は6月6日、北中米ワールドカップ(W杯)アジア2次予選第5節でミャンマー代表と対戦し、5-0で快勝した。かつてアジアサッカー連盟の機関紙「フットボール・アジア」の編集長やPAスポーツ通信のアジア支局長を務め、ワールドカップ(W杯)を7大会連続で現地取材中の英国人記者マイケル・チャーチ氏は3バックを採用して5ゴールを叩き込んだ日本の戦いぶりに熱視線を送っている。
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2026年W杯のアジア2次予選において日本が目指すものは1位通過だけだった。サムライブルーが限られたミャンマーを最小限の力で退けることに疑いの余地はなく、実際にそのとおりになった。
森保監督は3月の北朝鮮戦から7人を入れ替えた。そして、フォーメーションを大きく入れ替える余裕があったということは、指揮官は今が実験の時だと知っていたことを意味する。
5-0というスコアは前回のミャンマー戦と同じだが、この勝利から森保監督が選手の戦術的な柔軟性や起用できるオプションを学んだことがより重要だ。
日本は中村敬斗と小川航基の2ゴールずつと堂安律のゴールで簡単な勝利を手にしたが、この試合で最も注目すべき瞬間は森保監督の戦術的な構成だった。
3バックの採用は興味深いものだった。右サイドで傑出していたパフォーマーは橋岡大樹で、彼は守備の役割を果たしつつ、時折中盤まで上がって菅原由勢のサポートをするなどダイナミズムをもたらした。
伊藤洋輝は左サイドバックよりも3バックのセンターバックのほうが快適にプレーしているように見えた。谷口彰悟も新しい顔ぶれの最終ラインの中心として落ち着きをもたらしていた。
守田英正はいつものパートナーである遠藤航が不在だったが、それでもいつものように安定感を見せた。遠藤はその好戦的なスキルが必要にならない試合だったため、休息が与えられた。
守田が中央のエリアを支配したことで、鎌田大地はより影響力を発揮することができた。このMFはビジョンとパスレンジの広さを証明し、自陣からの精巧なパスで中村の先制点を演出した。
中村もこのタイプの相手との試合において理想的な気質とスキルセットを持っていることを証明したが、より優れたクオリティーを持つ相手との対戦で同様のダメージを相手に与えられるかはまだ疑問が残っている。その答えは9月の試合で明らかになるかもしれない。
小川航基も同様で、2ゴールを決めたとはいえ、まだ上田綺世のファーストチョイスの座を脅かすほどではない。
森保監督に実験の機会を与えたこの試合で日本は2次予選の首位通過を確定させ、今年の初めにドーハで行われたアジアカップでの失望を過去のものにしたと言えるだろう。
(マイケル・チャーチ/Michael Church)
マイケル・チャーチ
アジアサッカーを幅広くカバーし、25年以上ジャーナリストとして活動する英国人ジャーナリスト。アジアサッカー連盟の機関紙「フットボール・アジア」の編集長やPAスポーツ通信のアジア支局長を務め、ワールドカップ6大会連続で取材。日本代表や日本サッカー界の動向も長年追っている。現在はコラムニストとしても執筆。