「韓国は責任を押し付けた」 クリンスマン元代表監督が解任発端の“卓球乱闘事件”を回想

ユルゲン・クリンスマン元監督【写真:ロイター】
ユルゲン・クリンスマン元監督【写真:ロイター】

クリンスマン監督は今年2月に韓国代表監督を解任

 韓国代表を率いていたユルゲン・クリンスマン元監督は今年2月、アジアカップでベスト4敗退の責任を取る形で解任された。エースのFWソン・フンミンと若手のMFイ・ガンインが乱闘騒動を起こし、ソン・フンミンは指を脱臼していたことがのちに明らかとなったが、ドイツ人指揮官は英メディア「The Athletic」のインタビューで「何が起こっているのか分からなかった」と“卓球乱闘事件”を振り返っている。

 昨年2月から韓国代表を率いることになったクリスマン元監督。韓国代表はカタールで開催されたアジアカップでベスト4に駒を進めるも、準決勝でヨルダンに0-2で敗れ、4強敗退となった。

 その後、ヨルダン戦前にイ・ガンインら若手メンバーが卓球をするために夕食を早々に切り上げ、キャプテンを務めるソン・フンミンと口論になったことが発覚。口論は乱闘にまで発展し、その過程でソン・フンミンは右手の指を脱臼したと報じられた。クリンスマン元監督は2月16日、大韓サッカー協会から解任が発表された。

 クリンスマン元監督は英メディア「The Athletic」のインタビューで、「ヨルダン戦前夜、我々はいつものように夕食をとっていたが、若い選手の何人かが少し早く食事を終えた。若手はいつもそうしていたが、少しうるさかったんだ。それでソニー(ソン・フンミンの愛称)が向かうと、突然、ソニーとイ・ガンインの間で口論になり、お互いに身体をぶつけ合った。ソニーは指を脱臼し、この乱闘騒ぎは私たちコーチングスタッフが座っていたダイニングルームへと移った。私たちは何が起こっているのか分わからなかったし、突然、大規模な乱闘になった」と、“卓球乱闘事件”を振り返っている。

 クリンスマン元監督はアジアカップ優勝に自信を持っていたようで、「選手たちがアジアカップ優勝のための最大の機会を失ったということが私を最も悲しませた。もし乱闘騒動が起こらなければ、我々はヨルダンに勝っただろうし、カタールとの決勝戦になっただろう。(韓国代表チームが)メジャートロフィーを獲得できる機会を自ら損ねたのが残念だ」と語っている。

 また、自身の更迭に関しては、「誰かが責任を負って非難を受けなければならない韓国文化によるもの」と言及。「韓国は選手間の争いの責任を押し付けた。人々は私が韓国の生活に適応できなかったと言うが、それに対する私の答えは『では、そもそもなぜ外国人を雇用するのか』ということ」と主張した。

 韓国紙「朝鮮日報」は「韓国代表チームがシンガポールとのW杯アジア2次予選で7-0の大勝を収めたなか、ユルゲン・クリンスマン元代表監督のインタビューが公開され、議論を呼んでいる」と、6月6日に韓国代表がシンガポール戦で快勝したなかで、水を差す内容だと取り上げている。

(FOOTBALL ZONE編集部)

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