ミャンマーは「ひどすぎた」 無気力の対戦相手に日本代表OB落胆「正直、ユース世代以下」【見解】

日本に敗れたミャンマー代表(写真は昨年のもの)【写真:Getty Images】
日本に敗れたミャンマー代表(写真は昨年のもの)【写真:Getty Images】

【専門家の目|栗原勇蔵】5バックで防戦一方のミャンマーは「闘志を全く感じなかった」

 森保一監督率いる日本代表は、6月6日に敵地で行われた北中米ワールドカップ(W杯)アジア2次予選第5節ミャンマー戦に5-0と大勝した。防戦一方のミャンマーに関して、元日本代表DF栗原勇蔵氏は「あまりにひどかった」「闘志を全く感じなかった」と指摘した。(取材・構成=FOOTBALL ZONE編集部)

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 日本は森保監督の第2次政権では初となる3-4-2-1システムで試合をスタート。対するホームのミャンマーは5バックで守備を固める形を採用した。

 日本は前半17分、ハーフウェーライン付近でボールを受けたMF鎌田大地が左前方のスペースへボールを展開。走り込んだMF中村敬斗がペナルティーエリア内まで切り込んで右足シュートを決め、幸先良く先制に成功した。

 さらに、前半34分には中村の横パスをペナルティーエリア内で受けた鎌田が反転しての右足シュートを放つと、ゴールポストに当たった跳ね返りをMF堂安律が蹴り込み、2-0とリードを広げてハーフタイムを迎えた。

 後半も日本ペースとなったなか同30分、右45度付近から途中出場のMF相馬勇紀が左足で入れたクロスで相手の背後に出たFW小川航基がヘディングで決めて3-0とリードを広げると、同38分に再び小川が追加点、試合終了間際には中村が芸術的なミドルでゴールを奪い、5点差で大勝を飾った。

 今予選1分3敗(2得点19失点)だったミャンマーは、5バックで防戦一方。日本に5ゴールこそ生まれたが、日本代表OB栗原氏は「上積みとか、新戦力とか見込めず、収穫は怪我人が出なかっただけ」と厳しく試合に言及した。

「今日のミャンマーは、ここ数年で一番ひどかった。対戦相手のことで申し訳なさもありますが、ほかのアジアのチームは成長しているなかで、あんな気持ちでサッカーをやっていたら成長は望めない。向かってこないし、負けていても痛がる。ひたすら守って、闘志を全く感じなかった。ゲームプランが崩れたのかもしれないけど、3点、4点取られても、ファイティングポーズすら取らない。正直、ユース世代以下。日本も決して良くなかったとはいえ、ミャンマーがあまりにひどかったと思います」

 栗原氏は「相手あってのサッカーだと改めて思いました」と、ミャンマーに戦う姿勢が見られなかったことで、試合の見どころや魅力も削がれたと見解を述べる。

「空気の抜けかけたサンドバック相手にやっている感じ。日本もやりづらかったでしょう。インプレーが短くて、試合として正直つまらなかった。ミャンマーは勝てるチームがあるのか。日本相手にどこまでやれるのか、大敗でも戦う姿勢があればまだいいけど、気持ちの面でがっかりしました。日本はああいうサッカーになっても仕方ない部分もありますけど、10点は取れたと思います」

 栗原氏は、「今日に関しては相手の問題」と前置きしたうえで、「せっかく地上波で放送があったなかで、日本はミスも多く、放映面でもポジティブな面は少なかった」と懸念していた。

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栗原勇蔵

くりはら・ゆうぞう/1983年生まれ、神奈川県出身。横浜F・マリノスの下部組織で育ち、2002年にトップ昇格。元日本代表DF松田直樹、同DF中澤佑二の下でセンターバックとしての能力を磨くと、プロ5年目の06年から出場機会を増やし最終ラインに欠かせない選手へと成長した。日本代表としても活躍し、20試合3得点を記録。横浜FM一筋で18シーズンを過ごし、19年限りで現役を引退した。現在は横浜FMの「クラブシップ・キャプテン」として活動している。

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