中村敬斗は“ゾーン”を持っている 日本代表OBが「ゴールに向かう姿勢」を評価「一番強かった」【見解】
【専門家の目|栗原勇蔵】中村敬斗はシュートに「自分の形を持っている」
森保一監督率いる日本代表は、6月6日に敵地で行われた北中米ワールドカップ(W杯)アジア2次予選第5節ミャンマー戦に5-0と大勝した。MF中村敬斗は左のウイングバックとして先発出場し、2ゴールをマーク。元日本代表DF栗原勇蔵氏は、「ゴールに向かう姿勢は間違いなくチーム内で一番強かった」と評価している。(取材・構成=FOOTBALL ZONE編集部)
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日本は森保監督の第2次政権では初となる3-4-2-1システムで試合をスタート。中村は左のウイングバックで先発出場となった。
そのなかで前半17分、MF鎌田大地が左サイドに展開すると、中村がそのまま持ち上がり、カットインから右足シュートを放ち、ニアサイドを抜いて先制のゴールを決めた。
さらに日本は前半34分、中村の横パスをペナルティーエリア内で受けた鎌田が反転しての右足シュートを放つと、ゴールポストに当たった跳ね返りをMF堂安律が蹴り込んで2-0とリードを広げた。
FW小川航基の2ゴールで4-0として迎えた後半アディショナルタイム、中村は敵陣ペナルティーアーク後方でのこぼれ球に右足を振り抜くと、綺麗な弧を描いたミドルシュートがゴールに吸い込まれ、日本は5-0の大勝を飾った。
森保監督は試合後、A代表9戦8発の中村について「常にハングリーだと思う。1回1回、生きるか死ぬか、生き残りを懸けて代表があると本人が分かっている。ギラギラがいいですね」と称えたが、日本代表OB栗原氏も「ドリブルはもちろん、シュートが上手くて自分の形を持っている。ミートが抜群で、足を振らせてもらえれば右足で巻くシュートは自信があるはず」と語っている。
「正直、ミャンマーが消極的で見どころが少なかったなか、ああいった引いた相手でも中村だけは隙あらばというか、ドリブルで仕掛けていた。点を取りに行こうと言う気持ちが見えた1人だし、結果的にゴールも決めている。相手が2人いても仕掛けて、ゴールに向かう姿勢は間違いなくチーム内で一番強かった。その姿勢はすごく大事だと思う」
6月シリーズではMF伊東純也やMF三笘薫が不在のなか、中村の積極的なプレーは森保ジャパンの大きな武器となりそうだ。
栗原勇蔵
くりはら・ゆうぞう/1983年生まれ、神奈川県出身。横浜F・マリノスの下部組織で育ち、2002年にトップ昇格。元日本代表DF松田直樹、同DF中澤佑二の下でセンターバックとしての能力を磨くと、プロ5年目の06年から出場機会を増やし最終ラインに欠かせない選手へと成長した。日本代表としても活躍し、20試合3得点を記録。横浜FM一筋で18シーズンを過ごし、19年限りで現役を引退した。現在は横浜FMの「クラブシップ・キャプテン」として活動している。