J大卒ルーキー、日本代表入りへ期待感も「まだ力不足」 SBで大飛躍の5G…「日の丸背負えない」

鹿島でプレーする濃野公人【写真:徳原隆元】
鹿島でプレーする濃野公人【写真:徳原隆元】

濃野公人は横浜FM戦に今季リーグ戦5ゴール目

 鹿島アントラーズは6月1日に行われたJ1リーグ第17節で横浜F・マリノスに勝利し、首位のFC町田ゼルビアと勝ち点で並んだ。この試合でチーム2点目を挙げたDF濃野公人は、大卒ルーキーでありながら、すでにJ1で17試合に出場して5ゴール目を記録したことになる。

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 自身のゴールを振り返り、濃野は「左でタメを作って、右にボールを流れてきてっていうのが、鹿島の形としてある。『前のスペースにどんどん出ていけ』という話もあったなかで、名古(新太郎)くんがダイアゴナルに走って相手DFを引き付けてくれて僕の前にスペースが空いたので、僕は信じて走って行って思い切り振ったら入ったので良かったです」と、チームとして狙った形が出た結果だと胸を張った。

 横浜FMの選手たちも、今季すでに4点を挙げていた濃野の得点力は警戒していたと口にしたが、「自分としてはあまり感じなかった」と濃野は言う。

「サイドハーフが結構、攻め残りするのは前半に感じていました。その分、自分が上がったら、遅れて守備をせざるを得ないな。そのやり合いになるなと感じていました。後半は少しギアを上げて攻めることを意識しましたし、後半に人が代わってからは、前半に出ていた選手より守備意識が低いと感じたので、思い切り上がっていったらフリーになれるなと思っていました。そこで先手を取れたのは大きかったと思います」

 後半16分に横浜FMのハリー・キューウェル監督が行ったFW井上健太からFW宮市亮への交代も、狙い目になったと振り返った。

 そして、改めてゴールシーンについて「(鈴木)優磨くんが、知念(慶)くんに渡して、知念くんが前を向いた瞬間に、自分のマークのサイドハーフが遅れていたので、いけるなと思いました」と、シュートチャンスが来ると感じた場面について明かしている。

守備の不安定さは「自分の弱み」と分析

 これだけの活躍を見せていれば、日本を代表してプレーすることを期待する声もあがってくる。「シーズン開幕前に想像していたよりも、はるかにいい結果を出せている」と濃野は言うが、同時に「今回のU-23日本代表にも入っていないですし、目に見える結果だけではなく、目に見えない結果というところも、もっともっとフォーカスを当ててやっていかないと、上には行けないんだなと改めて感じています。目に見える結果は上手くいっているかもしれませんが、もっともっと選手としての質を上げられる部分はたくさんあると思います」と、ステップアップの必要性を語った。

 濃野は具体的に何が足りないと感じているのか。

「守備の不安定さっていうのは、間違いなく自分の弱みだと思いますし、日本を代表して世界と戦っていくということには、まだまだ力不足なのかなと。そこに不安定さを持った選手は、そういう舞台に自信を持って送り出せないんだろうなと感じました。だからと言って、そこに対して気負う必要があるかといえば、そうじゃないかもしれませんが、もっともっと上に行くという観点からいくと、やっぱりそこにもしっかり目を向けてやっていかなきゃいけないと思います。悲観的になっているわけじゃないんですけどね。どの環境に行っても、知念くんや(佐野)海舟くんがいるわけではない。そこで1人で守って、1人で攻められる人じゃないと、日の丸を背負えないんだなと思います」

 とはいえ、シーズン折り返し前に大卒ルーキーのサイドバックが5ゴールを記録するのは異例のこと。4連勝のチームで重要な得点源の1つとなっている濃野が、どこまでこの数字を伸ばしていくか、守備力の向上とともに注目していきたいところだ。

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