CL決勝のファン乱入は「違法」 超厳重“10億円警備”を海外疑問視「倫理的な問題を提起」
ドルトムントVSレアル・マドリードのCL決勝戦でファンがいきなりピッチに
UEFAチャンピオンズリーグ(CL)決勝が6月1日、ウェンブリー・スタジアムで行われ、ドイツ1部ドルトムントとスペイン1部レアル・マドリードが激突し、2-0でレアルが2シーズンぶり15回目の優勝を飾った。白熱の展開となった決勝戦だったが、キックオフ直後の26秒でいきなり3人のファンが乱入するハプニングが発生。30万ポンド(約6000万円)の報奨金の発覚や、ドルトムントMFマルセル・ザビッツァーも確保に一役買うなど歴史的な騒動へと発展しているなか、インドメディア「TalkEsport」は今回のハプニングについて問題視している。
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試合は約2分間、中断を強いられた。米スポーツ専門局「ESPN」は公式SNSで「CL決勝戦が始まって30秒も経たないうちに、ファンがピッチに駆け込んできて、ジュード・ベリンガムと自撮り写真を撮った」と画像付きで報道。海外で伝えられている写真では、MFジュート・ベリンガムやFWヴィニシウス・ジュニオールらに駆け寄り、セルフィーするシーンが納められていた。
英紙「デイリー・メール」によると、「Mellstroy(メルストロイ)」と書かれたTシャツを着た乱入者の3人は、25歳のロシア人インフルエンサーが提示した30万ポンド(約6000万円)の賞金目当てだったという。また、3人の侵入者のうち1人は警備員を振り切ったあと、ピッチ内で別の警備員に止められる。だが、それをも振り切ろうとしたところを、先発ピッチに立っていたドルトムントMFマルセル・ザビッツァーも加わり確保に至った。
ロンドン警視庁はCL決勝戦で53人の逮捕を発表。英紙「イブニング・スタンダード」は「逮捕者のほとんどは警備違反未遂によるものだったが、5人はピッチ侵入や警備違反によるもの」としている。
そのなかで、同メディアはセキュリティに関して問題点を提起。「過去の事件を受けてこのような違反を防ぐために多くの投資が行われてきた。約500万ポンド(約10億円)の費用がかかった『リング・オブ・スティール作戦』は警備が厳重だったにもかかわらずピッチ侵入が行われたことから疑問視された」と伝えた。
また、今回の騒動を引き起こした侵入者とメルストロイによる報奨金疑惑について「深刻な法的及び倫理的な問題を提起している。ウェンブリー・スタジアム関係者とロンドン警視庁はこのスタントを非難し、競技場への侵入は違法であり、当局が適切な措置を講じることを支援すると強調した」と指摘した。
セキュリティの見直しを含め、今後のためにも適切な対処が求められそうだ。