人気低迷の日本代表 本田が「もう少し長い目で見てほしい」と訴え
明るい話題が少ない日本サッカー界
日本代表FW本田圭佑(ACミラン)は、2014年ブラジルワールドカップ(W杯)で1次リーグ敗退後、凋落傾向にある日本におけるサッカー人気に「長い目で見てほしい」と歯止めを訴えた。
日本代表を巡る環境は悪循環にある。本田ら主力が優勝が目標と公言して臨んだ、ブラジルW杯本大会では1勝もできずに1次リーグ敗退の屈辱を喫した。
そして、サッカー界には良い話題が少なく、悲報が多い。日本代表の背番号「10」である香川真司は昨夏、マンチェスター・ユナイテッドから古巣ドルトムントに移籍。だが、強豪は2部降格圏に沈み、出場機会も失っている。ハビエル・アギーレ監督が、2010-11シーズンにリーガ・エスパニョーラのサラゴサ監督時代の八百長疑惑でスペイン司法当局に告発されるという異常事態に直面している。
その一方で、テニスの錦織圭選手、フィギュアの羽生結弦選手、ヤンキースの田中将大投手が活躍するなど、新たなカリスマが他競技で人気をけん引している。
「他のスポーツが盛り上がっていることに関して、それはそれでいいこと。2014年のW杯が終わってから、サッカーの方が少し元気がないというのはあるけれど、まあ、もう少し長いスパンでみないと」
元日に千葉県内で行われた代表合宿後、本田はそう語った。日本スポーツ界での他競技の盛り上がりを歓迎しつつ、世界列強と実力差の否めないサッカーに関しては長い目で見ることを周囲に求めた。
「半年ぐらいだと波がいい時も悪い時もある。やはり、3、4年のプロジェクトで見てみないといけない。アジアカップ(アジア杯)も通過点にすぎない。それは日本の若い選手にとっても、それをステップに海外に移籍する選手、活躍していく選手、ビッグクラブに移籍する選手。JリーグもACLで盛り上がる。これがスタートにすぎない。日本サッカーが力を合わせて盛り上げていく、結果を出していくのが大事」
2018年ロシアW杯までを一つのスパンと区切り、日本代表について早急な決断を避けるように訴えた。前回の2011年アジア杯カタール大会で、チェゼーナからインテルに移籍したDF長友佑都のようにステップアップを実現させた選手もいた。サッカー界のサイクルのこれ以上の空転を避けるためにも、本田はアジア杯連覇に全身全霊を傾ける。
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サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images