浦和ヘグモ流の浸透度は? 指揮官が総評…一定評価も攻撃面に注文「より決定機作れた」
今季就任のヘグモ監督、始動から5か月半のチームの出来に言及
浦和レッズのペア・マティアス・ヘグモ監督は5月30日のトレーニング後に定例のオンライン会見を実施。チーム作りの現段階について「ここ4試合、5試合の数値を見ると高強度のランニングが増えている。怪我で長く離脱せず、ずっと練習してきた選手たちは、我々のピリオダイゼーションに慣れてきた」と話した。
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ヘグモ監督は今季に浦和の監督へ就任すると、4-3-3システムの導入を明言。それだけでなく、昨季にJ1最少失点を記録したものの低めの位置にブロックを組んだ守備戦術からハイプレス型への転換を宣言した。昨季率いたマチェイ・スコルジャ監督も構想はあったものの過密日程などもあり手を付け切れなかった部分に最初から取り組んだ。そして、こうしたチーム構築について「戦術的ピリオダイゼーション」と呼ばれるフィジカルとテクニカルの両面から戦略的に構築していくトレーニング理論を用いながら進めていると話していた。
始動から5か月半ほど経った現段階についてヘグモ監督は「ここ4試合、5試合の数値を見ると高強度のランニングが増えている。怪我で長く離脱せず、ずっと練習してきた選手たちは我々のピリオダイゼーションに慣れてきたと思う。連戦が続いてきたと思うが、今後はより練習する時間もできてくるので、1週間のマイクロサイクルを利用しながら練習の文化をさらに作り上げていきたい。来シーズンは4つか5つの大会をプレーする可能性がある。今シーズンもできるだけ良い結果を残しながら、同時に選手たちがさらに慣れていくことを進めたい」と話す。
ヘグモ監督はチームの戦術的な積み上げについて「ビルドアップやポゼッションなどゲームコントロールのところにはかなり時間を割いて練習している。そして、守備面ではハイプレスの強度も上がっているし、ミドルやローブロックの強度も上昇していると思う」と手応えを口にした。26日のFC町田ゼルビア戦では、これまで多くのクラブを中盤のボール奪取で餌食にしてきた相手に対して安定したビルドアップで前進する質を見せていた。
それだけにヘグモ監督は「町田戦のあとに(選手たちへ)話したことは、ポゼッションも大事だが前に行くチャンスがある時には速攻を仕掛けるということ。特にラストサードのところでそうしたいと。町田戦の内容は良かったと思うが、仕掛けても良い可能性のある場面もあった。そうすればより決定機も作れただろう」として、「昨日と今日の練習では、ボールを奪った時によりダイレクトなプレーをする部分を取り組んだ。ボールを奪った時にいったん下げてプレーするのか、少しリスクを持って前に出ていくのかという判断のところ」と課題の解消への取り組みについて話している。
昨季までの流れからはモデルチェンジの印象も強く、負傷者が多いこともあって成績は安定してきていない。一方で、大きく見れば右肩上がりでできることの多いチームにはなってきている。6月は今週末のヴィッセル神戸戦からセレッソ大阪、鹿島アントラーズ、名古屋グランパスと上位勢を相手にした戦いが続くだけに、ここで結果を残すことができればシーズン後半戦の巻き返しも現実味を帯びてきそうだ。
(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)