鈴木、小久保と五輪GKサバイバル「自分にとってプラス」…本大会メンバー選考前最後の遠征入り
GK野澤大志ブランドン、6月のU-23日本代表アメリカ遠征メンバーに選出
日本サッカー協会は5月30日、6月のアメリカ遠征を行うU-23日本代表メンバー25名を発表した。カタールで開催されたパリ五輪予選を兼ねたU-23アジアカップ(アジア杯)にも出場したGK野澤大志ブランドンは、今遠征のメンバー入りも果たした。強化部にメンバー入りが伝えられると「分かりました」と冷静に答えたという。
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パリ五輪のサッカー競技は今年7月下旬に開催され、今回のアメリカ遠征が本大会メンバー発表前最後の強化となる見込みだ。カタールでの戦いにも身を置いた野澤は「パリ五輪がもう間近に迫っているので、組織としてはもちろんですけど、個として成長し続けるのはどの時期でも変わらないと思います。この遠征もパリに向けた最後の遠征だと思っていますが、そこでチームとしてどれだけ成長できるかもそうだし、1つになれるかもそう。同時に個人としてもどれだけ成長し続けられるかは、時期関係なく大切かなと思います」と、意識するべきことを口にした。そして個人としては「自分の力、持っているモノ以上をチームにもたらしたいと思う」と意気込んだ。
チームの強化としても重要な期間になるが、同時に個々がアピールするチャンスでもある。GKという1人しか出場できないポジションを務める野澤は、本大会のメンバー入りに向けたサバイバルについて「競争があるのはいいことだし、レベルの高い仲間がいることはチームにとってもすごいプラスですし、自分にとってもプラスなこと。その競争を楽しみながら、チームが1つになって戦っていけるようにやっていこうと思います。誰が出てもチームが勝利することが一番大切。自分のことは自然とあとからついてくるという感覚でやろうと思っています」と、まずはU-23日本代表の勝利が重要だと語った。
すでに欧州で活躍をしているGK鈴木彩艶(シント=トロイデン)やGK小久保玲央ブライアン(ベンフィカ)も、U-23日本代表ではポジションを争うライバルになる。「ずっと前から一緒にやっているから、(競争といわれるのは)今さらな感じではあるのですが、同世代に素晴らしい選手がいることは自分にとってプラスですし、また一緒に戦えることも、仲間として素晴らしいことだと思います」と、語った。
それぞれの特徴についても「小久保選手は直近のU-23アジアカップで素晴らしい活躍をしていたし、優勝を持ってきたのは間違いなく彼の力が大きかった。それを目の当たりにしたのは、自分にとってもすごく刺激になりましたし、改めて尊敬した部分であります。同時に人柄も素晴らしいので、そこもいいです」と言い、「鈴木選手も15、16歳の頃から知っていますが、本当に謙虚で、ずっと準備をし続ける選手ですし、今はA代表でも試合に出ています。難しい時期もトライし続け、チームのみんなに必要とされていると思う。そういう部分でも、すごい」と、コメントした。
FC東京から野澤以外にも3選手が選出「本当に誇らしい」
彼らとポジションを争う野澤は「存在感というか、自分が出場した時に本当にチームに与えられるものが、たくさんあればと思っています。ゴール前の集中力や堅さだったりを築き上げて、そういうところをアピールしたい」と決意を語った。
また、今回のアメリカ遠征には、FW荒木遼太郎、MF松木玖生、DFバングーナガンデ佳史扶と、FC東京から野澤以外にも3選手が選出されている。「本当に誇らしいこと」と野澤は言い「いつも普段、一緒に戦っているメンバーが代表に絡めることは、すごく嬉しいです。チームにとってもいいことだと思います。代表活動中にこっちでも残った選手たちが頑張ってくれると思いますし、僕らがまた帰ってきたら競争は激しいものになるでしょう。チームとして、どんどんみんなが上を目指してやっていけるような環境は本当に大切なことだと思います」と、チームメイトたちのメンバー入りを喜んだ。
(河合 拓 / Taku Kawai)