青森山田出身・浦和MFが恩師とプロの舞台で“再会” 埼スタピッチで「今日良かったなと声を」
青森山田から高卒で浦和入りしたパリ世代の武田英寿が恩師の黒田剛監督とピッチで再会
浦和レッズのMF武田英寿は5月29日のトレーニング後に取材対応し、26日のFC町田ゼルビア戦で青森山田高校時代の恩師である黒田剛監督の前でプレーした。そして「試合後に今日、良かったなと声を掛けてもらった」と話した。
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武田は黒田監督が率いていた当時の青森山田高校の中心選手として全国高校サッカー選手権などの優勝を果たして2020年に浦和入り。期限付き移籍も経て今季復帰し、先日の直接対決に途中出場していた。武田の高校生当時は国立競技場が改修中だったため、高校選手権の準決勝や決勝が埼玉スタジアムだったこともあり、監督と選手、あるいは先生と生徒の関係で全国の頂点を勝ち取ったスタジアムでの対戦だった。
黒田監督も試合の記者会見で「この埼玉スタジアムはもちろん青森山田時代から何回も高校サッカーの準決勝、決勝というステージでやらせていただいたし、レッズにいた武田英寿も教え子であり、一緒に戦った経験もありますけど、そういったところで武田と敵ではありますけど、同じピッチで試合ができるということもすごく考え深いものがあったし、すごく嬉しく思った」と言及していた。
武田は「ピッチに立てて良かったし、今シーズンでも長い時間出られた。ただ、負けたのは悔しい」とコメント。それでも、恩師との対戦については「敵として戦ったので高校の時とは別だけど、監督の前でできたのは恩返しではないけど、プロの世界で戦えて良かった。監督とも話して、『今日、良かったな』と言ってくれたのがすごく嬉しかった。監督も中学、高校と僕を見てくれて、短い時間でも印象に残るようなプレーができたので、嬉しいと思ってもらえたんじゃないかと思う。ただ、次は勝ちたい」と話していた。
高卒で浦和入りして2年目の夏から期限付き移籍で経験を積み、プロ5年目の今季に浦和へ戻った。開幕当初は試合の登録メンバーに入れない時期が続いたが、4月24日のルヴァン杯ファーストラウンド2回戦ガイナーレ鳥取戦でスタメン出場して先制ゴールを決めてアピール。最近はリーグ戦でもベンチ入り、途中出場の機会が増えていた。
特にセットプレーは、武田がピッチに立つとコーナーキックやゴールに近い位置のフリーキックを必ず任せられるほど。武田自身も「信頼を凄く感じるし、練習のセットプレーでも自信を持って狙ったところに蹴れている。自分でもそこが武器だと思うので、結果に結びつくように頑張りたい」と話した。
パリ五輪世代のレフティーは、恩師との直接対決では悔しさを味わったものの浦和でも頭角を現し始めている。鮮やかなキックでチームを勝利に導く姿が期待される。
(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)