欧州クラブ来日決定も…マッチメイク「雑になった」 日本で問われる興行的な価値

スタッド・ランス、ブライトン、ドルトムントなどが来日予定【写真:徳原隆元 & ロイター】
スタッド・ランス、ブライトン、ドルトムントなどが来日予定【写真:徳原隆元 & ロイター】

欧州クラブの日本ツアーに向けられる厳しい視線

 欧州主要リーグの2023-24シーズンが続々と幕を下ろすなか、来季へのプレシーズンの一環として欧州各国クラブの来日が続々と決まりつつある。日本代表選手の凱旋マッチとなる試合も複数組まれている一方で、いわゆるビッグクラブの不在、マッチメイクの観点から興行的な価値に疑問の目も向けられている。

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 欧州クラブとJクラブが対戦する親善試合はここ数年、主に7~8月にかけて不定期的に開催されてきた。Jリーグ主催の「Jリーグワールドチャレンジ」は2017年度の初回を皮切りに、過去3度実施。今年もイングランド1部トッテナム、ニューカッスル、ドイツ1部シュツットガルトが招待され、5つのJクラブ(ヴィッセル神戸、京都サンガF.C.、サンフレッチェ広島、浦和レッズ、横浜F・マリノス)との対戦が決まっている。

 このほかにも、三笘薫が所属するイングランド1部ブライトン、伊東純也、中村敬斗擁するフランス1部スタッド・ランス、今季のUEFAチャンピオンズリーグ決勝に進出しているドイツ1部ボルシア・ドルトムントの来日が決定。直近では、久保建英のスペイン1部レアル・ソシエダが5月29日に東京・国立競技場で東京ヴェルディとの一戦を行う。

 来日ツアーが続々と決まるなかで、にわかに懸念されているのがビッグクラブの不在と集客力だ。昨年はイングランド1部マンチェスター・シティ、ドイツ1部バイエルン・ミュンヘンといった欧州屈指の名門クラブが来日。横浜FM対シティの親善試合には、高額なチケット代金が設定されながらも国立競技場に6万1618人の大観衆が詰めかけた。

 シティやバイエルンほどのビッグクラブとなれば集客は見込めるが、今夏のプレシーズンマッチは状況が異なる。日本代表選手たちの凱旋マッチとしての注目度はあるが、ネット上では「ビッグクラブって呼べるようなクラブも少ないしあまり集客できそうな感じしない」「生半可な親善ツアーではお客様は入らない」との指摘も挙がった。

 また、マッチメイクにも疑問の目が。ブライトンは三笘の古巣である川崎フロンターレではなく、鹿島アントラーズと東京ヴェルディが対戦相手に。また、元横浜FMのアンジェ・ポステコグルー監督率いるトッテナムは、ヴィッセル神戸と対戦予定となるなかで「マッチメイク雑になってきた」「元所属クラブとやったほうが盛り上がる」と辛辣な意見が並んだ。

 クラブ事情などさまざまな要因が絡み、理想どおりに試合を組めなかった側面も考えられるが、ある程度名の通った海外クラブを「ただ呼べばいい」といったスタンスならば集客が見込めなくなる可能性も。継続的な開催を実現していくうえでは今後、興行的な価値が問われるコンテンツにもなり得る。

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