VARの是非に言及は回避 FC東京監督、G大阪戦幻の同点ゴールに何を思った?

FC東京のピーター・クラモフスキー監督【写真:徳原隆元】
FC東京のピーター・クラモフスキー監督【写真:徳原隆元】

クラモフスキー監督率いるFC東京はG大阪に0-1では敗戦

 FC東京は5月26日に行われたJ1リーグ第16節のガンバ大阪戦に0-1で敗れ、リーグ戦4試合未勝利(2分2敗)となり、順位も9位に落とした。後半40分のFW山田康太の決勝ゴールの場面で、FC東京の選手たちはファウルを訴えたが、ビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)の結果でも判定は変わらず。後半アディショナルタイムにDFエンリケ・トレヴィザンが同点ゴールを決めたかと思われた場面では、オフサイドの判定でゴールが認められなかった。

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 リプレイ映像を見ることができれば、反応は違ったかもしれない。実際に記者席ではスポーツチャンネル「DAZN」の配信を確認していた報道陣もいたことで、判定に対して大きな疑問を抱えている人はほとんどいなかった。だが、味の素スタジアムでは映像が映し出されなかったこともあり、リプレイを見られる状態になかったFC東京の選手やサポーターには、御厨貴文主審の判定やオンフィールドレビューが行われなかったことが、不満となってしまったのだろう。失点時にも主審を囲んだFC東京の選手たちは、試合終了後にもピーター・クラモフスキー監督も含め、再び主審に何かを訴えていた。

 試合後には主審に詰め寄っていたクラモフスキー監督だが、記者会見では冷静だった。同点ゴールが認められなかったことについて「ゴールだと思っていたので、残念な場面だったと思いました。判定が私たちのほうに来ませんでしたが、それもフットボールです。大事なことは、そういう時間帯に自分たちがチャンスを作れたこと。相手の得点に関しても、自分たちにはいい判定ではありませんでした。ただ、それもフットボールです。それを自分たちは乗り越えなければいけません。(判定など)自分たちがコントロールできないものはあると思いますが、今シーズン、選手たちはそれを乗り越えてここまで戦ってきました。それを乗り越え前進し、自分たちの信じる方向に進むこと。その姿勢は今日も選手たちは出してくれたと思います。難しいなかでも戦ってくれましたが、今日は残念に思っています」と、冷静に振り返った。

 VARに関しては、イングランド1部プレミアリーグでは廃止論が出ている。VARはあってはならないようなミスジャッジを防げる一方で、この日のように際どい判定の際には疑念を残してしまう。また、スタジアムの盛り上がりを醒ましてしまうことも少なくない。VARの是非について、どう考えているかをオーストラリア人監督に尋ねると「それはみなさんが興味あるトピックでしょうが、今日のところは私はコメントしないほうがいいと思います」と、このタイミングの回答は避けた。

「私たちが今日、ベストな戦いができたかといえば、そうではなかったかもしれません。ただ、タイトな試合のなかで、勝ち点3、勝ち点1を取れそうなチャンスもありました。ここからまた自分たちを振り返り、パフォーマンスを分析して、この痛みを持って、もっと強くなれるようにしていきたい」

 クラモフスキー監督はジャッジに左右されない力を付けることにフォーカスしていくと語った。

(河合 拓 / Taku Kawai)



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