浦和ホームで土壇場敗戦 単発なクロス攻撃に課題…ヘグモ監督「練習継続していきたい」

マティアス・ヘグモ監督【写真:徳原隆元】
マティアス・ヘグモ監督【写真:徳原隆元】

ホーム埼スタで町田と対戦、後半ATに決勝PK弾決められ1-2敗戦

 浦和レッズは5月26日のJ1第16節でFC町田ゼルビアをホームに迎え撃ち、後半アディショナルタイム(AT)にPKを決められ1-2で敗れた。クロスがシュートにつながらない回数が非常に多かったゲームでもあり、ペア・マティアス・ヘグモ監督は「クロスのクオリティーはキーポイントになる」と指摘した。

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 浦和はヘグモ監督が状態を危ぶんでいたMF中島翔哉が間に合わず登録メンバーから外れ、ノルウェー代表FWオラ・ソルバッケンが浦和加入後の初スタメンのピッチに立った。また、負傷から復帰したスウェーデン代表MFサミュエル・グスタフソンはベンチスタートとなり、MF岩尾憲が3人の中盤の中央に入った。

 後半7分、町田は浦和がFW前田直輝につけたボールに素早く寄せて奪うとショートカウンターへ。中央へのボールでFWオ・セフンの裏側に潜り込んだMF平河悠がボールを受けるとGK西川周作との1対1になった。平河のシュートは西川が一度セーブするも、こぼれ球を再び平河が押し込んで町田がアウェーで先制した。

 しかし直後の後半9分、浦和が中央を経由して右サイドで前進すると、中央への浮き球をMF安居海渡がつなぐとDF石原広教の頭を経て最終ラインの背後に出たボールに伊藤が反応。右足シュートを蹴り込んで1-1の同点に追い付いた。

 そして後半アディショナルタイム、町田は平河のラストパスに反応したFWナ・サンホがペナルティーエリア内に入ると、浦和はDFアレクサンダー・ショルツが痛恨のファウル。このPKをMF下田北斗が蹴り込み、これが決勝ゴールとなり浦和は敗れた。

 前半から特に右サイドで前田や石原がクロスを入れる場面を多く作ったものの、その多くはGK谷晃生にキャッチされるか中央で味方と合わなかった。後半の選手交代でDF酒井宏樹が入ったあとも、フリーでサイドから入れたクロスが味方に届く前に谷にキャッチされてしまう場面もあった。それなりに良い形で攻撃を進めたものの、クロスからシュートにつながる場面がなくゴールへの予感が高まらなかった。

ウインガーに故障者続出、厳しい台所事情にも言及

 ヘグモ監督は試合後の会見で「クロスのクオリティーはキーポイントになる。だけど、クロスを上げる前に相手のバランスを崩すことも必要になる。そうなればペナルティーエリア内やペナルティーエリアの前でフリーな選手も見つけられる」として、「2対1を作りクロスを上げ、ペナルティーエリア内のニアやファー、マイナスのポイントに3枚、4枚、5枚と入る練習はしているが、それを継続していきたい。例えば相手を1枚はがしてからプレーすると、本日より多くのチャンスは生まれるだろう」と、課題について話した。

 また、中島の欠場をはじめコンディションも十分でないソルバッケンをスタメン起用せざるを得ないほどウイングプレーヤーに負傷者が重なっているのも事実。途中交代でフレッシュなドリブラーを入れる策を打てない面がある指揮官は、厳しい台所事情を問われると「ウイングは1対1で抜き去るような特別な能力が求められる。中島、大久保(智明)、松尾(佑介)がそういう能力を持っている。彼らが戻ってくればそういう能力も充実してくるだろう」とも話した。

 4-3-3システムの採用からウイングを生かす攻撃に取り組んでいるだけに、その枚数が揃ってくるかとクロスがゴールにつながるかどうかはチームの根幹を成すもの。町田がクロス対応の強さを見せるチームだったとはいえ、ゴールに向かう攻撃の質という点では大きな課題が存在する試合になった。

(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)



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