パス成功率88%が示す“リベロ”長谷部の真骨頂 フランクフルトに安定を生む「リスク回避術」

状況に応じてリスク回避のロングパスを選択

 もう一つ、パスの種類からロングパスの図も紹介しよう。リーグ戦の直近5試合における長谷部のパス成功率は82%でチーム3位。最初に紹介した今季全体の数値(88%)から下がった要因としては、ロングパスの増加が挙げられる。この5試合でのロングパス数は19本で、そのうち12本を成功。双方ともにチームトップの数値だ。このなかにはセットプレーも含まれているが、大半はオープンプレーによるもの。特にサイドの高い位置を狙う傾向にあった。

 フランクフルトの場合、相手に良い守備ブロックを形成されると局面打開に苦しむため、状況によってはあっさりとロングパスを選択するケースも少なくない。仮に相手に渡ってもサイドの深いエリアからの攻撃となるため守備に切り替えやすく、これもまたリスク回避の選択肢の一つだ。

 今季の残り試合が少なくなったなかで、“リベロ長谷部”がもたらす安定感は、チームにどのような影響を与えるのか。そして来季の欧州カップ戦でも、その勇姿を見ることができるのか。新興勢力と古豪が入り混じった今季のブンデスリーガ上位争いは、いよいよ勝負の終盤戦へと突入する。

データ提供元:InStat

【了】

Soccer D.B.●文 text by Soccer D.B.(http://soccer-db.net/

ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images

 

page1 page2 page3

今、あなたにオススメ

トレンド

ランキング