横浜FM主将「恐れたら意味がない」 ACL決勝で示したチームの“強気”「マリノスらしくない」

横浜FMの喜田拓也【写真:徳原隆元】
横浜FMの喜田拓也【写真:徳原隆元】

横浜FMはアル・アイン相手に逆転勝利について喜田が明かした

 横浜F・マリノスはアジア王者を目指すAFCチャンピオンズリーグ(ACL)の決勝第1戦、アル・アイン(UAE)戦で2-1の勝利。キャプテンのMF喜田拓也は、相手のカウンター戦術にも恐れず攻撃を繰り返したチームに自信を語り、第2戦のアウェーへ「堂々と乗り込みたい」と話した。

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 横浜FMはアジアの大会が再編されて以降は初となるアジア王者を狙うピッチに立つ。その第1戦をホームで迎えると、5万3704人の観衆が出迎えた。キャプテンマークを腕に巻いてスタメン出場した喜田は「これだけ素晴らしい雰囲気を作ってもらい、感謝している」と、青、赤、白のトリコロールカラーで選手入場を迎えたサポーターたちに感謝した。

 それでも「ホームで先に(点を)取って進めたかった」という試合は、前半12分、最終ライン背後に出てきたボールにDFエドゥアルドが対応していたものの、スキを見せてしまったところで加速したMFソフィアン・ラヒミにボールを奪われスピードアップされてしまう。この大ピンチでGKポープ・ウィリアムが一度はセーブしたものの、こぼれ球をMFモハンメド・アルバルーシに押し込まれ0-1のビハインドを背負った。

 その後はアル・アインがラヒミを前残りさせるカウンターを徹底させた。攻撃的な横浜FMは人数を掛けて敵陣に侵入していくため、ボールを失った瞬間のロングボールでは広大なスペースへ走り込まれる場面も生まれる。とはいえ、それを嫌がって2人、3人と後方に残せば横浜FMの長所すら失う可能性がある。アンカーの位置に入った喜田は難しいバランス感覚が求められた。

 それでも喜田は「ずっとチームがチャレンジしていること。そこを恐れたら意味がない。残っているのも狙っているのも分かっていたけど、そのマネジメントはずっとやってきたこと。そこで恐れて攻撃の威力が半減するのはマリノスらしくないので、そのポジショニングやリスクマネジメントは逐一しゃべりながらやっていた。変な失い方は少なかったと思う。そういう攻撃の仕方が守備にもつながるところは、手応えもあり改善点もありという感じだった」と話した。

 試合へ向けアクシデントがあったという喜田はギリギリのコンディションの中、後半15分での交代になった。その後、チームは後半27分にFWヤン・マテウスのクロスをMF植中朝日がヘディングで同点弾。後半39分にはマテウスのクロスが逆サイドに流れたところでFW宮市亮がボレーを放つと、ファーサイドで詰めたMF渡辺皓太が押し込んだ。これが決勝点になり横浜FMは初戦を制した。

 試合後に円陣を組む際、DF松原健からキャプテンマークを再び受け取ったという喜田は「キャプテンマークは重いもので、経験しないと分からない。毎年、素晴らしい副キャプテンとチームメートに支えられている。彼らは絶対にマークを返してくるし、途中出場でも何とかして渡してくる。そこにリスペクトもすごく感じる」と話す誰もが認めるリーダーとしてチームの中心にいることが窺える。

 これで5月25日の第2戦は優位な状況で迎えるが、喜田は「彼らは別のチームになると思う。思い通りに行かないかもしれないが、何が起きても想定内にできるように準備して、堂々と乗り込みたい」と、これまでの勝ち上がりと積み上げへの自信を話していた。

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