「ピッチが荒れていてもやれた」 横浜FMキューウェル監督、ACL決勝先勝も「満足しない」

横浜FMキューウェル監督【写真:徳原隆元】
横浜FMキューウェル監督【写真:徳原隆元】

横浜FMはアル・アインに2-1で勝利

 横浜F・マリノスは、5月11日に行われたAFCチャンピオンズリーグ(ACL)の決勝第1戦アル・アイン(UAE)戦に2-1で勝利。アウェーでの第2戦に向け、優位な状況を手に入れた。ハリー・キューウェル監督は「自分たちはここで満足することはないし、何も終わっていない」と25日の第2戦を見据えた。

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 横浜FMはホームの声援を受け勢いよく立ち上がったが前半12分、最終ライン背後に出てきたボールにDFエドゥアルドが対応していたものの、隙を見せてしまったところで加速したMFソフィアン・ラヒミにボールを奪われスピードアップされてしまう。この大ピンチでGKポープ・ウィリアムが一度はセーブしたものの、こぼれ球をMFモハンメド・アルバルーシに押し込まれ0-1のビハインドを背負った。

 それでも横浜FMは後半27分にFWヤン・マテウスのクロスをMF植中朝日がヘディングで同点弾。後半39分にはマテウスのクロスが逆サイドに流れたところでFW宮市亮がボレーを放つと、ファーサイドで詰めたMF渡辺皓太が押し込んだ。当初はオフサイド判定だったが、ビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)のチェックによりオンサイドと判定されて2-1の勝ち越しゴールに。これが決勝点になり横浜FMは初戦を制した。

 キューウェル監督は試合後、「パフォーマンスもしっかりできて約束事の部分も前半からやってくれた。あれだけピッチが荒れていてもしっかりやれた。アル・アインはカウンターに強みがあると予測していた。前半のゴールは彼らのやり方でやられてしまった。選手は下を向かず前を向いて自分たちのサッカーをしてくれた。連係や動きで相手を翻弄してくれた。チャンスがあるなかでゴールをなかなか奪えなかったのは悔やまれるが、約束事やコミットメントの部分もしっかりあった」と振り返った。

 前半に14本のシュート、後半はやや停滞した部分もあり4本のシュートだったが合計18本のシュートを放った。「もっと点を取ってくれたら良かった」と苦笑いした指揮官だが、「これもずっと言い続けているが、サッカーの中でゴールを決めるのが一番難しい。周りの方は『なぜ入らないのか』と言いたがる方も多いと思う。ただ、アル・アインのGKも素晴らしかった。それ以上にチャンスを作ることが大事だと思う。チャンスを作り続けて決めに行く姿勢を取り続けることだ」と、チーム作りの哲学に触れた。

 中東に乗り込んでの第2戦は引き分け以上でアジア王者に輝く。キューウェル監督は「特に自分たちはここで満足することはないし、何も終わっていない。相手もここでゴールして自信があると思う。自分たちも2ゴールでスタイルも見せた。決勝はいいテストだと思っている。それは私たちにとっても、相手にとってもそう。どのように相手がやってくるか楽しみ。ご存知のように、サッカーは最後まで何が起こるか分からないものだ」と、UAEでの決戦を見据える。

 横浜FMはアジアの大会が再編されて以降は初となるアジア王者を狙うピッチに立つ。また、この大会に優勝したチームは来年に米国で開催される32チームに拡大されるクラブ・ワールドカップ(W杯)の出場権を獲得する。アジアを経て世界へ打って出るチャンスを掴み取るまで、あと1試合になった。

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