横浜FMがACL決勝で先勝…植中が同点弾、渡辺が”VAR勝ち越し弾” 初アジア王者へ一歩前進
後半40分に渡辺が殊勲の勝ち越しゴール
横浜F・マリノスはアジア王者を目指すAFCチャンピオンズリーグ(ACL)の決勝第1戦、アル・アイン(UAE)に2-1で勝利。アウェーでの第2戦に向け、優位な状況を手に入れた。
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横浜FMはアジアの大会が再編されて以降は初となるアジア王者を狙うピッチに立つ。昨年の内にケヴィン・マスカット監督の指揮下でグループリーグを突破し、年が明けてからはハリー・キューウェル監督の下でベスト16のバンコク・ユナイテッド(タイ)、準々決勝で山東泰山(中国)、準決勝で蔚山現代(韓国)との際どいゲームを制して勝ち上がってきた。
その横浜FMはリーグ戦もACLを見据えたメンバーで臨んでいた。この決勝は直近のリーグ戦になった5月6日の浦和レッズ戦(1-2)のスタメンからGKポープ・ウィリアムを除くフィールドプレーヤーを全員変更した。
ホームの声援を受け勢いよく立ち上がったが前半12分、最終ライン背後に出てきたボールにDFエドゥアルドが対応していたものの、隙を見せてしまったところで加速したMFソフィアン・ラヒミにボールを奪われスピードアップされてしまう。この大ピンチでGKポープ・ウィリアムが一度はセーブしたものの、こぼれ球をMFモハンメド・アルバルーシに押し込まれ0-1のビハインドを背負った。UAEからクラブが用意した2機のチャーター機で乗り込んできた約1000人のアル・アインのサポーターが歓喜に沸いた。
試合の構図は横浜FMが攻撃に人数を掛けてゲームを進め、アル・アインが前残りするラヒミを活用したカウンターを仕掛ける展開になった。横浜FMは前半26分、中盤でのボールカットからそのままドリブルで攻め上がったMF植中朝日がゴール正面からシュートを放つも相手GKにファインセーブで防がれた。
逆に前半30分にはカウンターでMFマティアス・パラシオスに抜け出されると、放たれたシュートはGKポープ・ウィリアムの股下を抜けてゴールに。しかし、ビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)のチェックでオフサイドによるゴール取り消しとなり、横浜FMは冷や汗をかいた。さらに前半36分にはエドゥアルドがプレー続行不可能を訴えDF渡邊泰基と交代になるアクシデント。横浜FMは試練を与えられる形で前半を0-1で終えた。
後半の横浜FMは中盤から仕掛けに入るところでボールを失う場面も多く、ゴール前に入り込む回数が減った。相手のラヒミを前残りさせるカウンターを徹底させる戦術にも手を焼いた。このまま試合が流れていきそうな空気が漂ったが後半27分、右サイドからマテウスが左足クロスを入れると走り込んだFWアンデルソン・ロペスの背後でフリーになった植中がヘディングシュートを決めて1-1の同点に追い付いた。
なんとか勝ち越しゴールがほしい横浜FMは後半39分、マテウスのクロスが逆サイドに流れたところでFW宮市亮がボレーを放つと、ファーサイドで詰めたMF渡辺皓太が押し込んだ。当初はオフサイド判定だったが、VARのチェックによりオンサイドと判定されて2-1の勝ち越しゴールに。これが決勝点になり横浜FMは初戦を制した。
アウェーゴールのルールは廃止されているため、横浜FMは優勝のためにはUAEに乗り込む5月25日の第2戦で引き分け以上の結果が求められる。また、この大会に優勝したチームは来年に米国で開催される32チームに拡大されるクラブ・ワールドカップ(W杯)の出場権を獲得する。