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U-23アジア杯でVAR頻発「主役になってる」 JFA見解…前後半トータルAT20分超にも違和感
JFA審判マネジャーの佐藤隆司氏、U-23アジアカップのレフェリングに見解
日本サッカー協会(JFA)は、5月9日にレフェリーブリーフィングを開催。先日のU-23アジアカップに審判アセッサーとして参加した、ロシア・ワールドカップ(W杯)の審判員に選出されるなど国際主審としても活躍した日本サッカー協会(JFA)審判マネジャーの佐藤隆司氏は「VARが主役になってきている印象を受けた」と話した。
このU-23アジアカップはカタールで開催され、パリ五輪へのアジア最終予選を兼ねたものになった。大岩剛監督が率いたU-23日本代表は優勝を果たし、3位までに与えられるパリ五輪本戦へのストレートインを獲得していた。
一方で、この大会ではVARが介入する場面が多かった。佐藤マネジャーは以前のレフェリーブリーフィングでも、アジアサッカー連盟(AFC)主催大会とJリーグとの違いとして「介入するハードルの高さ」を挙げていたが、今大会はさらにその傾向が強まったとしている。
8試合で審判アセッサーを務めた佐藤マネジャーは「(担当試合で)VARが介入しなかったのは1試合だけ。VARが主役になってきている印象を受けた。(A代表による)1月のアジアカップもそうだが、U-23の大会はさらにその印象を受けた。AFCにはAFCの考え方がある。ただし、アディショナルタイムが前後半合計26分は、なかなか受け入れられないのではないかと感じた」と話した。
どこかVARに頼っている印象も与えるようなレフェリングについて、佐藤マネジャーは「大事なのはピッチ上での判定をきちんとすること。ただ、今のサッカーはすごくスピードも速く見えないものもある。VARはサッカーを守る意味でも必要だと思うが、できるだけ介入の頻度を減らす。人間がやって人間がジャッジするということを審判員にも言っている」と話した。
また、大会参加チームの中にはVARがあることを利用するためにオーバーアクションで倒れ込んで映像確認を求めるような選手が見られたという報道陣からの指摘について、佐藤マネジャーは「これだけVARが介入すると、不利になる判定もある。そことうまく付き合うチームが強いと思う。いかなる接触でもVARは確認をするので、その意識はあるかもしれないが、(審判サイドが)見極めの力をつけていかないとやったもの勝ちになるのは良くないと思う」と話していた。
AFCチャンピオンズリーグ(ACL)のゲームでも、Jリーグとは明らかに違う基準でオンフィールドレビューを実施する場面が目に付く。日本にとってアジアの大会は代表チームもクラブチームも避けて通れないものであることからも、こうしたものと上手に付き合っていくしかなさそうだ。
(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)