元“ヤンなで”田中陽子、女子ACL決勝で日本凱旋 WEリーグは「レベル高い」と見解

仁川現代製鉄レッドエンジェルズの田中陽子【写真:轡田哲朗】
仁川現代製鉄レッドエンジェルズの田中陽子【写真:轡田哲朗】

女子ACLプレ大会の決勝戦に向け前日会見

 来シーズンに開始する予定の女子AFCチャンピオンズリーグ(ACL)のプレ大会「AFC Women’s Club Championship 2023 – Invitational Tournament(AWCC)」の決勝が、5月10日に浦和駒場スタジアムで開催される。三菱重工浦和レッズレディースと対戦する仁川現代製鉄レッドエンジェルズ(韓国)には、元なでしこジャパンのMF田中陽子が所属。前日会見に出席して「こうやって日本人として韓国のチームで大きな大会でプレーできることを本当に嬉しく思う」と話した。

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 今大会は昨年夏にタイとウズベキスタンでグループリーグが集中開催され、浦和と仁川が勝ち抜けた。開催予定だった決勝は、一度はアジアサッカー連盟(AFC)により実施しないことが発表されたが、WEリーグや浦和が開催の再考を依頼するレターを日本サッカー協会(JFA)経由でAFCに送り、韓国側とも協議し開催する運びとなった。

 その仁川はリーグ11連覇中の強豪だが、田中は2022年の夏から所属している。JFAアカデミー福島出身で、12年にINAC神戸レオネッサへ入団。ノジマステラ神奈川相模原でのプレーを経て19年にスペインへ渡り、2クラブでのプレーを経て韓国に活躍の場を移した。

 田中は会見の席上で「こうやって日本人として韓国のチームで大きな大会でプレーできることを本当に嬉しく思う。この決勝に出るまでに、ウズベキスタンで3試合してきた。1位通過することができて浦和レッズレディースと試合をする機会をいただいた。こんなに大きな大会は監督も初めてと言っていたが、そのタイミングでここにいられること、韓国のチームとしてプライドと責任を持って絶対に勝てるように頑張りたい」と試合に向けて話した。

 また、現在の日本女子サッカーについては「WEリーグはプロリーグになり、私がいた約5年前からはメンバーも変わって若い選手も多いけど、すごく以前よりもパワーが上がっていてスピードもある。昔の日本のサッカーと、ヨーロッパの力強いサッカーが融合して、12チームが戦う中で戦術も色々と見られて楽しいし、選手のレベルも高いと思う」という印象を話している。

 浦和のキャプテンを務めるMF柴田華絵とは、12年のU-20女子ワールドカップ(W杯)で共闘して「ヤングなでしこ」の愛称がついたチームの中心選手として攻撃的なポジションでコンビも組んだ。柴田は田中について「技術が優れていて、特に両足のキックが蹴れる。U-20の時に両足でゴールを決めるくらいだった。久しぶりに会ったけど、久しぶりの感じがしないくらい若いころから一緒にやっていたので明日が楽しみ」と話す。そして、マッチアップの可能性もあるだけに両者とも試合に向け「駆け引きを見て欲しい」と話した。

 浦和のGK池田咲紀子は当時のU-20女子代表のGKを務めていただけに「常にゴールを意識している選手だというのは、ずっと一緒にやっていた時とか、相手でも感じていた」と話した。初のアジア女王を決めるゲームで、久々に日本で出場する田中がどのようなプレーを見せるかも注目される。

(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)



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