審判団が「規定を無視」 CL準決勝、“幻ゴール”の誤審疑惑で海外物議「VARが不可能」
バイエルンはレアルに敗れベスト4敗退
ドイツ1部バイエルン・ミュンヘンは現地時間5月8日、UEFAチャンピオンズリーグ準決勝第2戦でレアル・マドリードと対戦し、1-2で敗戦。合計スコア3-4でベスト4敗退を喫した。後半アディショナルタイムに劇的な同点弾を奪ったかに思われたが、オフサイドでノーゴール判定に。そのなかでCL準決勝の行方を左右したこの“幻のゴール”が世界で物議を醸している。
ホームでの第1戦を2-2で終えたバイエルンは、運命の第2戦で敵地に乗り込むと、後半23分にDFアルフォンソ・デイビスが先制点を奪うことに成功。しかし、同43分に相手FWホセルに同点弾を決められると、同45分に再びホセルの追撃に遭う。一度はオフサイド判定で取り消されたものの、VAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)の介入により、ゴールが認められた。
それでも、後半アディショナルタイムにDFマタイス・デ・リフトがゴールネットを揺らし、劇的な同点弾を決めたかに思えたが、オフサイドを取られノーゴール判定に。際どいシーンとなったが、バイエルン側にはVARが介入することがないまま流され、試合はそのまま終了。合計スコア3-4で競り負け、ベスト4敗退を余儀なくされた。
一方、世界では取り消されたバイエルンの“幻のゴール”が物議を呼んでいる。リプレイで確認される限り、相手DFアントニオ・リュディガーの腕が残っているように見え、もしVARが介入していれば、得点が認められる可能性があった。それでは、この紙一重のシーンでなぜ審判団はVARを介入させなかったのか。
英メディア「SPORTING NEWS」は「何が起こったのか? なぜゴールは取り消されたのか? オフサイドテクノロジーの確認が施されなかった理由について正確に解説」と取り上げている。記事では「実際のところ、直後のリプレイではオンサイドの可能性が示されており、むしろその可能性が高かった」としたうえで、オフサイドがあったか否かの是非は、この議論の焦点ではないと指摘している。
「実際、この出来事はVARで検証されることすらなかった。主審はプレーが終わる前に笛を吹いてしまったため、シュートの直前にプレーを止めたことになり、VARで見直すことが不可能となった。(レアルGK)アンドリー・ルニンがシュートを打たれた際に動かなかったのは、事前にこの笛を聞いていたからだ」
そのうえで、オフサイドディレイが適応されなかったことについて「VARが導入されて以来、副審は判定が間違っていた場合に、有効な攻撃を妨げないよう、プレー続行のために、旗を数秒長く下げておく決まりがある。しかし、副審も主審も規定を無視した」と審判団のミスであると主張しており、「VAR導入以降、長きにわたって貫いてきた審判の理念から大きく逸脱したものだった」と強く非難している。