アジア杯連覇への武器 本田がミランで学んだ帝王学
「ミランには学びたいことがあった」
日本代表FW本田圭佑は今季、欧州のカップ戦出場権を持たない凋落の ACミランにおいても勝者のメンタリティーを学んでいると語った。
29日に千葉で行われたアジアカップを控えた日本代表合宿2日目の練習後、本田はこう言葉にした。
「ミランに移籍する前からずっとビッグクラブでそういうことを学びたいとずっと言ってきた。現状ミランは、実力的にチャンピオンチームではない。残念ながら実力的に…ただ、魂、フィロソフィーはチャンピオンチーム。それは入った人間、働いている人間しか分からない。求められているものは非常に高い。そこで日々学んでいることはある。それは今まで自分が所属していたクラブ、日本代表で学べないものではある」
本田が後半戦に移籍した昨季は、リーグ8位に低迷した。ミランはクラブの英雄だったクラレンス・セードルフ前監督を就任半年足らずで解任し、今季からトップチームの監督経験がないフィリッポ・インザーギ監督を抜擢する苦肉の策を選んでいる。セリエA自体も欧州における競争力を失う地盤沈下の中、今季も7位と上位進出を果たせておらず。ユベントスとASローマの二強の独走を許す状況となっている。
それでもスクデットやビッグイヤーを数々獲得してきたチームやスタッフには低迷中の現在も、勝者の哲学、メンタリティが息づいていると本田は主張する。
「代表に還元? (クラブの)みんなで持っているものなんで、僕が持っているものではない。それを自分がどう伝えていくかは簡単ではない。ミランは非常に求めているものが高い。負けが許されないような環境で常に試合をしている。今回のアジアカップは若干そういう期待を感じるから、それはそれで大変だと感じている」
経済的に苦しく、違約金のかかる超一流選手を獲得できなくてもミランのサポーターは勝利と、かつての栄光を強く欲している。常に勝たなければいけない状況は、アジアカップ連覇に挑む日本代表の状況と酷似しているという。本田は、勝って当然というサポーターやメディアの期待を一身に受け、オーストラリアの舞台で戦う。
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サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images