目を覚ました浦和の“ダイナモ” 2Gは「典型的な彼の形」監督も笑顔…さらに求める課題とは?
伊藤敦樹、リーグ12戦目で初ゴール含む2得点
浦和レッズは5月6日のJ1リーグ第12節で横浜F・マリノスをホームに迎え撃ち2-1の勝利を収めた。MF伊藤敦樹は2得点を奪ってチームを勝利に導き、「いいキッカケにしていきたい」と笑顔だった。
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浦和は前半42分、左サイドからFW中島翔哉がカットインするとFWチアゴ・サンタナにマークが引き付けられるなか、中央に走り込んだ伊藤に中島からの丁寧なラストパスが通りGKとの1対1を左足シュートで蹴り込んだ。
前節の5月3日、川崎フロンターレ戦でもGKと1対1になりながらシュートを決められなかっただけに、この場面は「だいぶ緊張した」と苦笑い。「気持ちですね、あれは。ニアに打つか、色々とよぎってしまった。入って良かった。ホッとした」と安堵の表情だった。
そして後半21分、GK西川周作までボールを下げたところからのビルドアップで前進すると、中盤で前を向いた伊藤が一気にドリブル。MF大久保智明へのラストパスの選択肢もある中でペナルティーエリアのライン付近から思い切って左足シュートを蹴り込んで2-0とリードを広げた。伊藤はこのゴールを「パスコースも見ながら前に運んでいって、トモ(大久保)がいい形で斜めに走ってくれて、それでシュートコースも見えたし良いところに打てたので良かった」と振り返った。
前節の川崎戦だけでなくここ数試合、伊藤は決定機で決められない場面が目立ってしまっていた。この試合の前半15分にもコーナーキックがファーサイドに流れてきたところをフリーで合わせる決定機でシュートをミスした。悪い記憶が頭を駆け巡りそうな流れだった。
一方で、決定機に絡んでいなければ目立つミスをそもそもしないもの。伊藤は「コーチとも話して、チャンスに絡むこともできているから外すシーンが目立ってしまうけど、気にせずにやり続けるしかないと。(前半15分の場面も)悔しかったけど、しっかり切り替えることができた」と話した。
ペア・マティアス・ヘグモ監督は試合後に記者会見で「今日は、敦樹には2点取って来いと言って送り出しました。ハーフタイムに敦樹が指を1本立てて1点取ったという顔をしたので、2点取って来いと言いました」と笑った。かねてからインサイドハーフの選手のゴールを求めていたなかでも、就任前にヨーロッパで浦和の試合をチェックした時から能力が高いとチームの中心的な存在に期待してきた伊藤による今季リーグ戦での初ゴールが勝利につながった。
また、指揮官は「今日は2点とも典型的な敦樹の形だと思う。2点とも2列目からのランニングだった。ビルドアップも良くなっていると思う。今後の彼の発展のためには前半のプレーで、もう少し敦樹自身がキープしてからタイミングを合わせて(前田)直輝に出せていれば。それが彼の今後の発展だと思う」と、さらなる成長にも期待をかけた。
昨季は60試合の公式戦を戦ったチームで中心的な存在として活躍し、日本代表でもデビューしてゴールもした。今季は新システムのなかでの戸惑いもあったが、「気持ち的には本当に楽になった。吹っ切れたと思いたいし、それを判断するにはこれからの試合が大事。今日をいいキッカケにしていきたい」と前を向いた。インサイドハーフに10得点を期待していると話すヘグモ監督だが、伊藤が調子を上げてチーム全体も求めるものに近づいていく姿が期待される。