監督が期待…試合を「締めてくれ」 21歳DFがパリ五輪へ危機感、使命果たせず「力不足」
磐田のDF鈴木はU-23アジア杯で当落線上に
Googleに「U-23アジアカップ」と入れて検索をすると、U-23アジアカップ(杯)決勝の結果とともに、U-23日本代表の優勝を祝う花火が打ち上げられる(5月6日17時現在)。
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カタールで開催されたU-23アジア杯の決勝は、3日(日本時間4日)に行われたばかり。そのチームの一員だったDF鈴木海音(ジュビロ磐田)は、5月6日に行われたJ1リーグ第12節の東京ヴェルディ戦(2-3)に途中出場でピッチに立っていた。
4日の深夜に帰国した鈴木は、翌5日からチームに合流。U-23アジア杯では、グループリーグのUAE(アラブ首長国連邦)戦と韓国戦にスタメン起用されたが、それ以降はベンチからチームを見守っていた。
クラブに合流後、鈴木は東京V戦でベンチスタートとなったが、2-2で迎えた後半43分にピッチに送り出される。直前にはDFリカルド・グラッサが一発退場となっており、VAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)などもあったことから長時間のアディショナルタイム(13分)が予定されていた。
この時の横内昭展監督からの指示について「10人だったから、とりあえず締めてくれって言われました」と言い「いろいろ大変な状況はありましたが、この試合にスタートから出られる準備はしていましたし、合流は遅かったですけど、コンディションは自分がメンバーに入ったからにはやらないといけないと思います。10人になった時点で投入されて、守り切れなかったのは自分の力不足だなと感じました」と唇を噛んだ。
鈴木を投入して守備固めを狙った磐田だったが、後半アディショナルタイム9分にFW木村勇大に決勝ゴールを許した。「とにかく失点しないこと(を意識したの)と、はっきりしたプレーでいいなと思っていました。チームとして絶対に失点してはいけなかったと思うし、自分が入ってからアディショナルタイムを含めて20分くらいで失点したので。今日は入りから失点して、そのあともズルズルいってしまっていた。その雰囲気を僕が入った時に変えないといけないし、チームとしても、もっとはっきりしたプレーを増やさないといけなかったと思います」と悔しがった。
チームに勝ち点を与えられなかったこともだが、同時にこうした日常が世界の舞台につながることを鈴木は理解している。U-23アジア杯は23人で戦ったが、パリ五輪の選手枠は18人。そこにオーバーエイジも加わってくる。U-23アジア杯で絶対的なレギュラーではなかった鈴木は、まさに当落線上の危ういところにいる。
「次の試合にはもうスタートから出られるように準備したい。日程も、連戦が続いていくので、常に良い準備をしたい。自分が目標にしている五輪まで期間もあまりないですし、ここで活躍するしかない。試合に出るだけじゃなくて、ここで結果を残したら、そういうところにつながっていく。ここで結果を残すことを意識して、常に成長を続けることを意識して練習からやっていきたい。自分がDFラインだけではなく、チームを引っ張っていきたい」と、決意を語った。
(河合 拓 / Taku Kawai)