「CLベスト16勢力図」をデータで検証 欧州最強の座を狙う列強の戦術的傾向とは
ボールを支配するだけではないバイエルン
守備面からは、インターセプトのデータを紹介しよう。インターセプトというデータは、主に相手のパスを奪うことによりカウントされる。自チームがボールを支配していればインターセプトそのものが発生しないため、数は少なくなる。単純にチーム全体のインターセプトの数だけをランキング化しても、守備の指標としては見えづらいため、ここではボール支配率と並べてグラフ化した(データ4参照)。
やはりボール支配率が低い方がインターセプトは多くなるので、全体的に左上から右下へ向かったデータの配置となっている。この流れと違うデータを記録しているチームが、インターセプトに特徴のあるチームだ。
例えば、バイエルンは70%のボール支配率でありながらインターセプト数も多めとなっている。最初に紹介したデータ1でのカウンター攻撃からのシュート割合の高さは、このインターセプトの多さが影響しているのではないだろうか。
カウンターとの関係で言うと、ナポリもカウンターからのシュート割合が高めのチームだったが、この支配率とインターセプトの関係で見ると低めになっている。さらにナポリのインターセプトを細かく見ていくと、他チームに比べて相手陣内の比率が高い傾向にあったため、この点が起因となったのかもしれない。
インターセプトの数においてトップだったレバークーゼンは、実はカウンター攻撃の回数が32チーム中トップ。にもかかわらずシュート割合が10%だったのは、奪ってからのボールの運び方に問題があるのではないだろうか。このように単一のデータでは見えなくても他のデータと連動させることで新しい要因が見えてくる。