浦和Lがリーグ新記録の10連勝! 男性コーチで“ドリブラー対策”も…監督称賛「王者にふさわしい」

リーグ新記録の10連勝を達成した浦和L【写真:Getty Images】
リーグ新記録の10連勝を達成した浦和L【写真:Getty Images】

広島レジーナに勝利して連勝を10に伸ばした

 三菱重工浦和レッズレディースは、4月27日のWEリーグ第17節のサンフレッチェ広島レジーナ戦で2-0の勝利を収めた。これで、優勝した昨季に記録した9連勝を1つ超えるWEリーグ新記録の10連勝をマーク。楠瀬直木監督は「チャンピオンにふさわしい自分たちで判断できるチームに近づいたと思う」と話した。

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 浦和は前半14分にMF栗島朱里のクロスをMF伊藤美紀がヘディングで合わせ先制。続く前半25分にも、栗島のクロスがゴールまでこぼれたところをDF遠藤優が押し込んだ。広島は突破力のあるMF中嶋佳乃らを生かしたサイド攻撃で反撃を試みたが、浦和が無失点で乗り切った。これで3月10日のセレッソ大阪ヤンマーレディース戦から10連勝となり記録を更新。引き分けを含む無敗記録は13試合で、先行開催された第20節を含む18試合を終え勝ち点47の首位。中でもリーグトップの46得点は1試合平均2.5を超える驚異的な数字だ。

 この試合で記録が途切れたものの前節まで10試合連続ゴールのMF清家貴子らの活躍は目覚ましいが、今季は選手起用やコンディションの観点から決して順調とは言い難い。現時点で昨季MVPのMF安藤梢、なでしこジャパン(日本女子代表)に選出のDF高橋はな、MF猶本光が長期離脱中で、MF塩越柚歩は手術明けでシーズンに入り序盤はプレータイムが短かった。なでしこリーグ時代から通算で得点王4回のFW菅澤優衣香もコンディションが万全ではないシーズンを過ごしてきた。

 この日のゲーム中もDF後藤若葉が負傷交代となり、18歳のDF岡村來佳が穴を埋めた。DF長嶋玲奈も負傷離脱中で、リーグ戦ではセンターバックが6人も入れ替わりながらプレーしている。他のポジションでも起用される若手選手、あるいは昨季まで出場機会が少なかった選手が穴を埋めながらチームが崩れずに連勝を伸ばしている。

 キャプテンのMF柴田華絵は「ケガ人が出た時のチャンスをしっかりみんながつかんでいる。ケガ人が出てしまうのは良いことではないけど、そこで試合に出た選手が『できるじゃん』というプレーを見せてくれる。周りもサポートして、信頼し合えているから自信を持ってプレーできるように声を掛けられているし、そういう部分が成長していると思う」と話した。

 また、結果が出続けることによる自信も好循環を生み、塩越は「1人、1人がやることを90分間全うするというところが勝利につながっている」として、「得点のところに関しては自分たちの強みというか、絶対に点を決められるという自信もあるので焦りもそんなにない。守備陣がすごく集中して90分間戦ってくれているので、そこに対しての安心感もあるし、いい意味で大丈夫だろうみたいな、みんなに対しての安心感が去年より増した」と話した。

 この試合に向けて相手のキープレーヤーに中嶋が挙げられるのは予想されたが、対面した遠藤について楠瀬直木監督は「自分で分かって、今週は1対1(の練習)に励んでいた」と話した。遠藤自身は「女子だとスピードに乗ってドリブルする選手が少ないので、男子のフィジカルコーチに相手してもらって、ぶっちぎられながら練習していました」と笑ったが、チームとしてのまとまりと個々の能力を生かす部分が良いミックスになっていると言えるのだろう。

 楠瀬監督は「まだ何も決まっていないですが」としながらも、「チャンピオンにふさわしい自分たちで判断できるチームに近づいたと思う」と、連覇へ向けひた走るチームの成長に目を細めた。

(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)



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