あの時ピッチ上で何が? 香川真司が明かした“2分間”で流れを引き寄せた訳「崩れないように」

C大阪の香川真司【写真:徳原隆元】
C大阪の香川真司【写真:徳原隆元】

C大阪のエースFWレオ・セアラは5戦連発で2ゴール

 セレッソ大阪は4月27日、J1リーグ第10節で横浜F・マリノスと対戦し、2-2の引き分けに終わった。2度のビハインドを追い付く粘り強さを発揮。勝ち点を19に伸ばし、暫定で首位に返り咲いた。3月16日サガン鳥栖戦以来、6試合ぶりにスタメン復帰したMF香川真司はクオリティーの高いプレーを連発。そのなかで、苦しい展開ながらも2度追い付いた“訳”を明かした。

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 リーグで好調の2位C大阪と、AFCチャンピオンズリーグ(ACL)決勝進出を果たした7位横浜FMが激突した一戦。C大阪は横浜FMに先手を取られた。前半17分に高い位置で相手FW植中朝日にボールを奪われ、FWエウベルからのクロスをかつてC大阪でプレーしていたMF水沼宏太に頭で決められた。

 1点を追う同25分ごろ、C大阪のゴール裏で急病人が発生。GKキム・ジンヒョンが異変を察知して、ベンチへと伝え、試合が中断。会場の医師が対応していたところ、チーム医師も走ってゴール裏まで駆け付けた。約2分間の中断を経て試合は再開した。

 この直後、同30分にはペナルティーエリア外でパスを受けた香川が美しい弾道のミドルシュートを放つ。惜しくも枠を捉えられなかったが、これで一気にC大阪へ流れが傾いた。

 前半45分にはFWレオ・セアラが倒されてPKを獲得。これをレオ・セアラ自らが蹴るも「人生で初めて」外してしまい、追い付けず。それでも前半アディショナル8分、MF田中駿汰と香川のワンツーからレオ・セアラへ。今度はしっかりとゴールへ流し込んで追い付いた。これでブラジル人FWは5試合連続ゴール。試合を振り出しに戻してハーフタイムを迎える絶好の展開になった。

 だが横浜FMも粘った。後半14分、コーナーキック(CK)からこぼれ球を途中出場の23歳MF榊原彗悟に決められた。2度のリードを奪われ、苦しい時間帯となったものの、今季好調のC大阪はひと味違う。同23分に右サイド約25メートルの位置でフリーキック(FK)を獲得。キッカーのFWルーカス・フェルナンデスがゴール前へ入れると、再びエースのレオ・セアラが頭で決めて同点とした。

 勝ち点1をもぎ取ったC大阪は暫定首位に浮上。攻守の中心としては香川が1つ1つのトラップやパスを出す視野の広さなど高いクオリティーを発揮していた。

 流れが変わったのは中断の2分間を挟んだあとだった。一体ピッチ上で何が起こっていたのか。香川に聞いた。

「なかなか相手のポゼッションから、効果的に進められていなかった。ハマっていなかったので。ただそこの修正と、あとはただ耐える。2点目をやらないことであったり、やられているけど、最後のところだったので。そこのストレスを抱えないような。嫌な時間帯、苦しい時間帯は間違いなくある。それで崩れないようにしよう、という話をしながら。ちょっと修正はもちろんかけましたし、それ以降良くなった。90分通してそういうところはしっかりとみんなが意識して戦いたい」

 中断時間でしっかりと切り替えることができたC大阪。「昨季からの成長」という2度のビハインドも物ともしない強さは転機を逃さずチャンスを掴み取る“粘り強さ”にあった。

(FOOTBALL ZONE編集部・小杉 舞 / Mai Kosugi)



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