3年前に契約満了→トライアウト参加→主軸へ 苦労人23歳が“下剋上”演出「自分の価値を高める」

京都戦で決勝ゴールを決めた杉井颯【画像はクラブ公式サイトのスクリーンショットです】
京都戦で決勝ゴールを決めた杉井颯【画像はクラブ公式サイトのスクリーンショットです】

長野DF杉井が2回戦京都戦の延長戦で値千金の決勝弾

 J3のAC長野パルセイロは4月24日、ルヴァンカップ1stラウンド2回戦でJ1京都サンガF.C.と対戦。延長戦の末に3-2と逆転勝利を飾り、3回戦進出を決めた。値千金の決勝弾を決めた23歳の「お祭り男」に注目が集まっている。

 長野は京都相手に前半28分までに0-2とビハインドを背負う厳しい展開となる。それでも、前半39分にMF三田尚希がゴールを決めて反撃の狼煙を上げると、後半39分に途中出場のDF黒石貴哉が同点弾をマーク。試合は延長戦にもつれ込むと、同後半4分、左サイドのコーナーキックからDF杉井颯が頭で合わせて長野が2点差をひっくり返した。

 鮮やかな逆転勝利の立役者となった23歳の杉井は試合後、「最高です! それ以外ないっす!」と喜びを爆発させた。

「2失点して、やっぱJ1だな、強いなと思いましたけど、みんなで諦めずに、リーグ戦なかなか勝てていないですけど、ここで流れを変えるんだと強い気持ちを持ってこの試合に臨みました。それが勝ちにつながって嬉しいです」

 Jリーグ公式X(旧ツイッター)で「お祭り男」と取り上げられた杉井は、柏レイソルのユースから2019年に柏のトップチームに昇格。プロ1年目はJ2で2試合の出場に終わると、20年はJ2ツエーゲン金沢、21年はJ3ガイナーレ鳥取に期限付き移籍。同年限りで契約満了となり、Jリーグ合同トライアウトを経て22年から長野に加入し、所属3年目の今季はここまで9試合に出場し、前節のFC琉球戦(3-4)で今季初ゴールを決めていた。

 長野は5月22日のルヴァンカップ1stラウンドでJ1北海道コンサドーレ札幌との対戦が決定。杉井は「J1相手にどこまでやれるのか。サッカー選手をやってて、J3でやっていたらJ1に行きたいですし、そういう相手とできるのはすごく幸せなことで、そこに勝って自分たちの価値を高める凄い大会だと思うので、勝って勝って、勝ち続けたいと思います」と、再度のジャイアントキリングに意欲を見せ、ファンからは「ミスター長野」「元気印のムードメーカー」といった声が上がっていた。

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