“野人”岡野雅行GM、古巣・浦和サポ1500人大挙に感謝「久々に良いエンタメ見ました」
J3鳥取GM岡野氏、古巣・浦和戦での興行言及
J3ガイナーレ鳥取の岡野雅行代表取締役ゼネラルマネージャー(GM)は、4月24日のルヴァン杯ファーストラウンド2回戦の浦和レッズ戦を終えて「久々に僕は良いエンタメを見ました」と、2-5の敗戦にも一定の満足を得た表情だった。
現役時代の岡野GMはJリーグ開幕から2年目の1994年に浦和へ入団すると長髪を振り乱しながら快足を飛ばしてプレーする姿から「野人」のニックネームで親しまれた。1998年フランス・ワールドカップ(W杯)に向けたアジア最終予選では、本大会行きを決める決勝ゴールをイラン戦で決めるなど日本代表としても活躍。2009年から13年まで鳥取でプレーし、引退後にGMを務めている。
岡野GMはキックオフ前にピッチに姿を現すと「野人でございます」と挨拶。浦和サポーターに歓迎の声を掛け、鳥取サポーターにも感謝の言葉を述べた。そして「私が育った浦和レッズと公式戦で、ホームで試合をできるなんて夢のようです。ありがとうございます。ガイナーレは今日レッズとやりますが、ビビらずに思いきってやってくれたらいいと思います。ていうか、ガイナーレ勝ちましょう!」と呼びかけ、浦和サポーターからはお約束のブーイングが起こった。
試合後に取材エリアに姿を見せた岡野GMは、この顛末について「もちろん狙いにいきました。あのブーイングが絶対に欲しいので」と笑顔。試合は前半の早い時間に2点を先行されるも1点を返す展開になり、スタジアムも沸いた。最終的には2-5での敗戦になったが、岡野GMは「2点取れたのがまた良かった。ゼロじゃなかったのが盛り上がったし、一瞬いけそうになった」と、反撃の姿勢を見せたチームが盛り上がりを作ったことに喜びをにじませた。
当初は6000人ほどの来場者見込みとされていたが、終わってみれば7677人の観衆を集めた。前日入り、あるいは試合当日の午前から浦和サポーターが鳥取入りして賑わいを見せたが、「駅前なんかを見たら行こうかなとなったんじゃないですかね。本当にレッズが来てるんだ、と」と、あいにくの雨天ながら観客動員数が伸びた理由を推察していた。
約1500人が来場した現役時代に背中を押されてきた浦和サポーターについて「やっぱり(浦和)サポーターを見せられたというか、みんなに見てもらって。最初、みんな『すげえ、なにこれ』って。そういうところがエンタメだなと。サッカーの面白さをやっぱり知ってほしい。勝ち負けだけになっちゃうところがあるけど、ガイナーレがあるからこそこういう試合ができる。もっと知ってもらいたい」と話した。
岡野GMは「久々に僕は良いエンタメを見ました」と喜んだ。試合は敗戦となったが、鳥取にとって勝敗だけなく得るものも大きな試合になったようだ。
(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)