名門・市船卒タレント欧州で覚醒 5戦5発エース級の輝き…海外絶賛「前例ないレベル」
ブレンビー鈴木唯人、加入1年目のシーズン終盤で躍動
デンマーク1部ブレンビーIFのMF鈴木唯人は、直近5戦5ゴールの活躍で現地からも高い評価を得ている。自身2度目の欧州挑戦を決意し、1年目で見事に覚醒。クラブの強化担当者もそのパフォーマンスに驚きを隠せず、「前例のない高いレベル」と才能を称えている。
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22歳の鈴木は昨夏、清水エスパルスからブレンビーへ4年契約で加入。昨年10月のリーグ第10節ビドゥビレIF戦(3-0)で移籍後初得点をマークすると、第13節ノアシェラン戦(2-1)で初スタメンを勝ち取り、その後は徐々にプレータイムを伸ばした。
シーズン佳境になると勢いは加速し、レギュラーシーズン最終戦となった第22節シルケボーIF戦(4-1)でハットトリックを達成するとプレーオフラウンドではここ4試合で2得点4アシスト、直近のミッティラン戦でチームの全得点を叩き出す活躍ぶりからさらに評価を上げている。
直近5戦5ゴールの活躍ぶりが現地でも話題になるなかで、デンマークのスポーツ誌「ティプスブラデット」はブレンビーの強化責任者ジョン・モラー氏に直撃。「一体どうやって絶大なポテンシャルを秘めた鈴木唯人を獲得できたのだろうか」と無名の存在に近かった鈴木の発掘経緯を本人の言葉とともに紹介した。
モラー氏によると、鈴木を実際に目にしたのは昨年3月、U-22日本代表の欧州遠征における国際親善試合だったといい、「3~4人の選手リストがあり、彼はそのリストに載っていた」という。当時、フランス1部ストラスブールに所属していた鈴木だが出番が限られていたため、実際に視察した情報を照らし合わせるための作業に時間を費やしたという。
その後、クラブ関係者全員が鈴木のポテンシャルを気に入り、移籍に向けた最終交渉を実施。モラー氏は鈴木も同席したオンラインミーティング時の話として「我々は興味を表明し現実的な可能性があるかどうかを確認しようとした。そこからエージェントがこの国とブレンビーを見るためにデンマークに来るべきであることに同意した」と明かした。
実際に契約を交わし、今ではデンマークのスーペルリーガで最も危険なアタッカーの1人に。モラー氏は「彼の能力はかなりユニークだ。前例のない高いレベルのテクニック、ペース、バランス、両足でのフィニッシュスキル、ゲームへの理解、我々が契約したのは、意欲的な非常に謙虚な若者だ」とその才能に期待を込めて賛辞を贈る。
鈴木は高校時代、名門・市立船橋高で過ごし、2020年の清水入りから4年の時を経て大きく飛躍。23年1月からおよそ半年間在籍したストラスブールでは花開かず挫折を味わったものの、欧州再挑戦で覚醒の時を迎えた。パリ五輪世代のエース格としての期待も高い22歳は、今まさに本格ブレイクの時を迎えようとしている。
(FOOTBALL ZONE編集部)