「ミスは問題ない」 浦和監督、苦悩の4年目MFに求めた”真のトッププレーヤー”のあるべき姿
伊藤は直近のG大阪戦でミスから失点して沈痛の面持ち
浦和レッズのペア・マティアス・ヘグモ監督は、4月22日のトレーニング後にオンライン会見を実施。20日に0-1で敗れたJ1リーグ第9節ガンバ大阪戦で決定機にシュートが決まらず、失点の起点になるプレーもあったMF伊藤敦樹について「本当のトッププレーヤーは、ミスをしたあとにさらにモチベーションが上がるもの」と激励の言葉を発した。
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伊藤はG大阪戦の後半10分、両サイドを広く使った攻撃から最後はDF渡邊凌磨が上げたクロスにフリーで合わせる決定機を迎えた。GKの上を超えてきたボールで、あとはゴール内に押し込むだけというチャンスだったがヘディングシュートはゴールポストを直撃した。
そして後半33分、左サイドからMFサミュエル・グスタフソンが中央に入れたボールを受けた伊藤が縦への進出を狙ったところで相手にカットされカウンターに。そこからの失点が試合を決めるものになってしまった。試合後には「個人としてもチームとしても、これまでの試合に比べれば上手くいっていた分、もったいなかった。あそこから失点してしまって、今シーズン始まって自分としても上手くいっていないのが続いていて、メンタル的にいろいろと来るものがある」と沈痛の面持ちだった。
これまでのゲームに比べればゴール前へ進出した場面も多くなり、敵陣でボールを奪って速攻につなげた場面もあったように、好プレーも増えた。一方で、だからこそ迎えた決定機やチャンスを掴みにいくプレーが失敗に終わったことで大きく目立ってしまった感もある。ヘグモ監督が「失点場面もこちらの人数が十分にいたのでそこまで決定機とは言えなかったと思う」と話したように、ボールロスト地点も敵陣ペナルティーエリア近くであり、相手のゴールにならなければ大きくピックアップされないプレーだったかもしれない。
ヘグモ監督は伊藤の飛躍を期待
ヘグモ監督は伊藤について「インサイドハーフの選手が得点できるところに行くのを私は望んでいる。あとちょっとでゴールが決まっていた。決まっていれば、凌磨の素晴らしいアシストになった。インサイドハーフが相手にとってより危険なペナルティーエリア内に現れることは増えている。敦樹は今後、ディテールのところを磨いていけばと思う。さらに強度を上げてより相手からボール奪取して攻撃のランニングを増やしてほしい。彼は非常に賢いし、質を高めてほしい」と話す。
そのうえで、メンタル的な部分について「サッカー界での選手や監督、父親や母親など人間としても我々はミスをする。そこで我々は幸運だと思う時も不運な時も、いい時も悪い時もそこに対処しないといけない。ただ、1つ重要なキーポイントがある」として一呼吸を置いた。
「本当のトッププレーヤーは、ミスをしたあとにさらにモチベーションが上がるもの。そこで苦しむことなく、さらにいい練習をして自分を向上させるというモチベーションを持つもの。ミスはサッカーの一部なので、それ自体は問題ではない。浦和で作ろうという文化の中では、そのような姿勢が必要だろう。次に機会があれば、よりいいプレーをするということだ」
185センチの長身と恵まれ、昨季は日本代表でのデビューや初ゴールも記録してブレークした。プロ4年目にして苦しんでいる感のある今季だが、ここを乗り越えられるかがキャリアでも大きなポイントになっていそうだ。指揮官の話すトッププレーヤーのメンタリティーを見せるプレーが期待される。
(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)