カズをフットサルW杯に連れて行ったスペイン人指揮官が監督業引退へ「これがラストダンス」
元フットサル日本代表監督のミゲル・ロドリゴ氏は最長でも2024年W杯が最後と明言
フットサル日本代表は2012年、大きな注目を集めた。元サッカー日本代表FW三浦知良(UDオリヴェイレンセ)が、フットサル・ワールドカップ(W杯)を戦う日本代表のメンバーに選出されたからだ。この時、フットサル日本代表を率いていたのはミゲル・ロドリゴ監督。フットサル日本代表の活性化を狙い、カズをフットサルW杯の出場選手14名の中に組み込んだスペイン人監督は、現在タイ代表監督として2024年にウズベキスタンで開催されるフットサルW杯予選を兼ねたアジアカップを戦っている。
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4月21日にはミゲル・ロドリゴ監督の率いるタイがベトナム代表と対戦し、2-1の勝利を飾った。チャンスの山を築きながらも決定力を欠き、なかなかゲームを決め切ることができずに試合終了のブザーが鳴るまで苦しんだが、無事にグループAの首位通過を決めている。
試合後、ミゲル・ロドリゴ監督は「後半はコントロールを失った。でも、幸運にもサポーターの後押しがあった。それによって生き延びて、戦うことができて、2つ目のゴールを挙げられた。これで落ち着き、再び自分たちのフットサルができて試合の主導権を握れた」と、ホームで戦えているメリットを口にした。
2006-07シーズンのスペインリーグ最優秀監督であるミゲル・ロドリゴ氏は、2012年に日本代表をフットサルW杯に出場させ、2016年に日本代表の監督を退任すると、すぐにタイ代表の監督に就任。その後、2017年から19年までベトナム代表の監督も務めたあとはチームを率いていなかった。今大会を前に電撃的にタイ代表の監督に復帰したが、仮に予選を突破できても、現時点ではフットサルW杯で指揮を執ることは考えていないと語った。
「これがラストダンスだ。今、あなたに『W杯でも指揮を執るんでしょ』という質問に答えるなら、私の答えは『ノー』だ。私はタイのフットサルに携わっている人たちが大好きだ。もし私たちがW杯の出場権を獲得できたら、彼らは可能な限り早く、新しいプランを描き、新しい戦略のため、新しい監督を迎えるべきだ。それは、私がW杯に行くことを望んでいないからではない。彼らをリスペクトしているからだ。もしかしたら私はW杯までは指揮を執るかもしれない。だが、それが最後だ。W杯のあとは絶対にフットサルの監督業を辞める」
フットサルW杯の出場権を獲得しても、その先は続けるつもりはない。そのため、タイ代表を継続的に強化していくのであれば、次のW杯からバトンを次期監督に託して次の強化を開始すべきだ。それがミゲル・ロドリゴ監督の考えだという。2016年までフットサル日本代表を率いたミゲル・ロドリゴ監督だが、その年のアジアカップではW杯出場権を逃した。そして日本代表監督退任後、すぐにタイ代表の監督に就き、2016年のフットサルW杯でも指揮を執った。その時の恩返しもあるのかもしれない。
「それが私の決断だ。監督を辞めたあとは、子供たちにだけフットサルを教えていく。それが私の決断だよ。まずは予選を突破してから、どうなるか。彼ら(タイサッカー協会)がどう思うかは確信がないし、その後に一緒に考えたい」
フットサルW杯ウズベキスタンの開催期間は、2024年9月14日から10月6日まで。日本でも非常に人気の高かったミゲル・ロドリゴ監督が指揮を執る姿を見られるのは、最長でもあと半年だ。
(Futsal X・河合拓 / Taku Kawai)
Futsal X
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