マンUは「時々、間違ったお金の使い方をしている」 “72km先”のリバプールとの違いをOB指摘
元ドイツ代表MFシュバインシュタイガー氏はリバプールの補強を評価
マンチェスター・ユナイテッドとリバプールと言えば、イングランド屈指の名門クラブである。しかし、近年の成績を比べると昨季まで6シーズン連続でプレミアリーグ4位以内をキープしていたリバプールに対して、マンチェスター・ユナイテッドは直近8シーズンで4度、UEFAチャンピオンズリーグ(CL)出場を逃し、今季も7位にとどまっている。ユナイテッドのOBであり、元ドイツ代表MFバスティアン・シュバインシュタイガー氏が、両クラブの違いを指摘した。リバプール専門メディア「Daveockop」が報じている。
2015年にユナイテッドに加入し、ルイス・ファン・ハール監督の下で31試合に出場したシュバインシュタイガー氏だが、ジョゼ・モウリーニョ監督の就任後は出場機会を得られなくなり、2017年3月にクラブを離れた。
アレックス・ファーガソン監督の退任後、それまで圧倒的だったユナイテッドは弱体化しているが、シュバインシュタイガー氏は「時々、完全に間違ったお金の使い方をしている」と、指摘した。
「同時にサッカーがどのように変化しているのか、変化していないのかにも適応しないといけない。もっとも分かりやすい例であり、ユナイテッドが学ぶべきなのは、距離にすればどのくらいだろう? リバプールとマンチェスターはどれくらい離れている?」
元イングランド代表DFガリー・ネビル氏に「45マイル(約72キロ)」と教えられると、シュバインシュタイガー氏は、「そうなんだ。そこを見ればいいんだ。クロップは何をしているか? 彼は大きなお金を移籍に投じているか? そうじゃない。彼がロバートソンをどこから獲得した(ハル・シティ)? ほかの選手たちもそうだが、彼はドルトムントの時と同じことをしているんだ」と、説明を続けた。
「彼は(ロベルト・)レバンドフスキを見出した。彼は(マリオ・)ゲッツェを見出した。彼は(マッツ・)フンメルスを見出した。彼は(ルーカス・)ピシュチェク、(ヤクブ・)ブワシュチコフスキ、(イルカイ・)ギュンドアンといった選手たち、(マルコ・)ロイスたちも見出している。たった45マイル先を見ればいい。そして、どれだけの期間、彼らがそうやってきているかを見るんだ。安定していて、(今季も)上位にいる。ユナイテッドのような波はないんだ」
クロップ監督はドルトムント時代から変わらず
シュバインシュタイガー氏からは名前が出なかったが、元日本代表MF香川真司(セレッソ大阪)も、ドルトムント時代にユルゲン・クロップ監督が抜擢している。現在はMF遠藤航をチームに入れている日本人選手の発掘という点でも、クロップ監督はドルトムント時代と同じことをしていると言えるだろう。
記事では、ユナイテッドの「間違ったお金の使い方」として、イングランド代表FWジェイドン・サンチョ(7300万ポンド=約140億円)、イングランド代表DFハリー・マグワイア(8000万ポンド=約153億円)、ブラジル代表FWアントニー(8600万ポンド=約164億円)、アルゼンチン代表FWアンヘル・ディ・マリア(6000万ポンド=約115億円)、そしてフランス代表MFポール・ポグバ(8900万ポンド=約170億円)の名前を挙げた。
一方でリバプールの最高の補強として、元カメルーン代表DFジョエル・マティプ(移籍金ゼロ)、セネガル代表FWサディオ・マネ(3000万ポンド=約57億円)、エジプト代表FWモハメド・サラー(3400万ポンド=約65億円)、スコットランド代表DFアンドリュー・ロバートソン(800万ポンド=約15億円)、アルゼンチン代表MFアレクシス・マック・アリスター(3500万ポンド=約67億円)、日本代表MF遠藤航(1600万ポンド=約30億円)の名前を挙げている。
サンチョとディ・マリアに投じた移籍金だけで、リバプールの上記6選手を獲得できたのだから、リバプールはシュバインシュタイガー氏の指摘通り、補強面で上手くやっていると言えるだろう。
(FOOTBALL ZONE編集部)