浦和ヘグモ体制、なぜ上昇できないのか キーマン不在も影響?…監督見解「苦しんだ」
今週末のリーグ戦へ定例のオンライン会見を実施
浦和レッズのペア・マティアス・ヘグモ監督は、4月18日のトレーニング後に定例のオンライン会見を実施。その中では、ゲームを読んでプレーするという部分について「思ったよりも時間が掛かっている」という言葉が発せられた。
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浦和は今季ヘグモ監督が就任して4-3-3システムを導入した。ただ、そのシステム以上にミドルからローブロックに構えてJ1最少失点も実現したチームを、クラブ全体の方針もありよりハイプレス型のチームへと変更する過程でさまざまなところで不具合も見せている。リーグ第8節を終えて3勝2分3敗と五分の成績で、12得点はリーグトップレベルのものだが、12日の柏レイソル戦では流れの中から決定機が作れない0-1の敗戦と波が大きい。
その柏戦では選手たちからロングボールを使うことが試合前からの戦術としてあったことがコメントされていたが、一方で「シンプル過ぎた」という声も聞かれた。ヘグモ監督は「ただのシンプルなボールではいけない。毎試合、プレーするごとに学びはあるし、可能性を探らないといけない。試合の流れを読むことが必要だと思う。そして、相手がどこにスペースを与えてくれるのか見つけないといけない。そこを突くためには選手の関係性が大事になってくる」と話す。
そのうえで「ゲームを読みながらプレーすることを望んでいるが、それができるようになるのに思ったよりも時間が掛かっている。例えば、立ち上がりの5分、10分はより長いボールを使うのがもともとのプランだった。4バックで速くボールを動かし、そこから前に行くことだったが、そこが難しくなった。あとは、ライン間のスペースをうまく使えなかった」と話し、ピッチ上での状況判断や臨機応変さの部分に満足していない部分があるとされた。
また、柏戦では後方からのビルドアップにかなりの難が見られて前進に苦しんだ。センターバック(CB)から有効な前進ができなかった面も目に付いたが、指揮官は「我々のプレーではCBが中心的な役割を担う。彼らが2対1を作れるかに関わってくる」とした一方で「もちろんうしろからつなぐのも大事だが、より高い位置で奪ってカウンターを仕掛けられたら深いところからつなぐ必要性もないし、崩れているところに仕掛けられる。ボールを奪うためにはアグレッシブなプレス、強くいくことも必要なので、そういう練習をしている」と話した。
その部分で現状のキーマンになっているのが柏戦を欠場したMF岩尾憲であることが察せられた。ヘグモ監督は「サガン鳥栖戦(4月7日、3-0)では憲が非常に良いプレスをかけていた。状況を読んで、タイミングが良かった。そのようなディテールのところで柏戦は苦しんだ。細かい部分かもしれないが、そこでチームとしてはっきりした動きができなかったかもしれない。前の選手の動きがハッキリすれば、うしろの選手も距離感が掴めるし読みやすくなる。ハイプレスの文化を作りたいと思っているが、そこには個人の習慣の部分もある。そこを伸ばしたい」と話した。
20日のガンバ大阪戦に向けてヘグモ監督はDFアレクサンダー・ショルツについて「フルで練習ができるようになった。我々にとっては非常にポジティブなこと」と、復帰する可能性を示唆した。課題はいくつもある状態だが、攻守ともゲームの流れと状況を読んだプレーを積み重ねられるかが重要ポイントになると言えそうだ。
(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)