シーズン途中の強化体制変更 浦和代表が経緯説明「決して聖域としてはならない」
田口代表は「強化は決して聖域としてはならない」と説明
浦和レッズは4月15日、西野努テクニカルダイレクター(TD)の退任、そして後任の強化責任者として16日付で堀之内聖氏がスポーツダイレクター(SD)に就任することを発表した。田口誠代表は、この件についてクラブ公式サイトでコメントしている。
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浦和は2019年末に強化体制を一新してフットボール本部を設立。戸苅淳フットボール本部長、トップチームの強化責任者である土田尚史SD、それを補佐する西野TDの体制で発足した。その体制で4シーズンを終えた昨季の終了時に土田SDが退任したことに伴い、今季はSDが空位のままとなり西野氏がTDの肩書のままトップチームの強化責任者となっていた。そして、シーズン開幕してリーグ8試合を終えたこのタイミングで西野TDの退任と、堀之内SDの就任が発表された。
トップチームの強化責任者としては後任となる堀之内SDは浦和のホームタウンである旧浦和市の出身で、東京学芸大学でのプレー時にはユニバーシアード日本代表でも活躍。卒業後に浦和へ入団すると最終ラインやボランチで堅実なプレーを見せてリーグ優勝などのタイトル獲得に貢献し、13年にモンテディオ山形でのプレーを最後に引退すると、浦和へクラブスタッフとして復帰。近年は強化部門を担当していた。堀之内氏は浦和レッドダイヤモンズ株式会社を退職し、4月16日付でSDに就任するとしている。
田口代表は冒頭に「フットボール本部設立時のスポーツダイレクター、テクニカルダイレクターが共にチームを離れたことになります。その事実やタイミングについてご心配をおかけしておりますことに対しまして、クラブの代表として謝意を申し上げます」とした。
また、田口代表は「クラブの代表を務めている私も含め、現在浦和レッズに所属している選手、チームスタッフ、クラブスタッフはいつの日か必ず、このクラブを去る日がやってきます。それでも、浦和レッズというクラブは残り続けます」としたうえで、「チーム強化は決して聖域としてはならず、属人的なものであっても、精神論に頼ったものであってもなりません。チーム強化は、継続実現性を伴った取り組みである必要があり、またそれを実現するためには、フットボール本部という組織自体も常に強化し、成長し続ける必要があります」と、説明した。
堀之内新SDの実績にスコルジャ前監督の発掘
また、西野TDの退任がシーズン途中になった件について田口代表は「チーム成績に関する責任や、選手・チームスタッフの獲得・選任責任が不明確になりかねないというデメリット」を挙げた一方で、「シーズン後半やシーズン終了後に交代することと比較して、選手の登録が認められる登録期間(ウインドー)の最大活用が期待できるなどのメリットもあり、これらのメリット、デメリットのバランスを熟慮した結果、ファン・サポーターのみなさまに対し、誠実にご説明申し上げることを前提に今回の決断を行った次第です」とした。
田口代表は堀之内SDの実績について昨季のマチェイ・スコルジャ監督の就任を挙げ、当初はリストになかったスコルジャ氏は「フットボール本部所属のアナリストによる独自のデータリサーチと、堀之内SDの現地調査により、同監督の特徴が「今の浦和レッズに必要な監督」像と高い水準で一致しているという判断に基づきリストに加えられ、最終的に就任に至ったという事実がございます」と紹介した。
今後、浦和の強化部門はフットボール本部体制は変わらずに堀之内SDが強化責任者として運営されていく。今後、夏の登録ウインドーの動きなどでの手腕も注目される。
(FOOTBALL ZONE編集部)