遠藤航のリバプール行きは「賢明かつ慎重な移籍」 リクルートの妙を英記者が分析
当初は獲得に厳しい声も、今や不動のレギュラーへ
イングランド1部リバプールの日本代表MF遠藤航は昨夏にドイツ1部シュツットガルトから電撃移籍し、ユルゲン・クロップ監督の下で必要不可欠なレギュラー選手として活躍している。イングランドでは無名に近い存在だったため、当初は獲得を疑問視する声も挙がっていたなかで、リバプールなぜ遠藤の獲得を決めたのか。ジャーナリストのデイビッド・オルンスタイン氏が、遠藤の移籍の背景について語った。
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リバプールは昨夏の開幕前に中盤の戦力を大刷新し、多くの新戦力をチームに迎えた。早々にアルゼンチン代表MFアレクシス・マック・アリスターとハンガリー代表MFドミニク・ソボスライを獲得したあとには、エクアドル代表MFモイセス・カイセドとベルギー代表MFロメオ・ラビアの引き抜きに動いたが、いずれもチェルシーとの争奪戦に敗れた。この有力なターゲットたちを逃したあと、マーケット最終盤に獲得を決めた1人が遠藤だった。
シュツットガルトで絶対的な主力だったとはいえ、それまでほかのイングランドのクラブからの関心などは伝えられていなかったこともあり、遠藤のリバプール行きは大きな話題と呼んだ。日本のサッカーファンは沸き立つ一方で、イングランド国内ではあまり知名度のなかった遠藤の獲得を疑問視する声もあった。
しかし、遠藤はシーズンが進むにつれて着実に出場機会を増やし、今やアンカーポジションのファーストチョイスとなった。今季のリーグベスト補強との呼び声さえある。なぜリバプールだけが遠藤を見出すことができたのか。オルンスタイン氏は英メディア「The Athletic」のQ&Aセッションで遠藤のリバプール移籍について言及していたという。
「近年のスカウト部門の性質上、彼は多くの注目を集めていたはずだ。しかし、おそらく彼はほかのクラブのリクルートメントリストの上位に入るのに適切な年齢、戦術的・技術的プロフィールではなかったのだろう。あるいは、そのほかのなんらかの理由から、ほかのクラブでは話が進展しなかったのかもしれない。または、リバプールのデータモデルだけが、ライバルたちのデータにはないものを見抜いていた可能性もあるし、少なくとも彼が自分たちの求めているものと合致する選手だった可能性もある。そして、彼らの人脈や交渉術、そのほかのファクターがこの賢明かつ慎重な移籍を実現させた。そして、それは支払った金額以上の値打ちのある取引だったように見える」
ドイツでデュエル王に2年連続で輝くほどの活躍をしていた遠藤はプレミアリーグクラブのスカウティングにも当然注目をしていたものの、すでに30歳を迎えていたこともあって実際に獲得に手を伸ばしたクラブはほとんどなかった。しかし、そのなかでリバプールのスカウティング部門は、日本代表キャプテンがチームに必要な存在になることを初めから見抜いていたようだ。
(FOOTBALL ZONE編集部)