鎌田大地は「司令塔だった」 今季初連続フル出場をイタリア人記者が称賛「考えが変わる可能性も」【現地発】
サレルニターナ戦で4-1勝利に貢献の鎌田、直近2試合フル出場と評価急上昇中
イタリア1部ラツィオに所属するMF鎌田大地が、現地時間4月12日のセリエA第32節サレルニターナ戦でフル出場を果たし、最下位の相手に4-1と快勝した。現地のイタリア人記者はどう評価しているのか。ラツィオ専門メディア「La Lazio Siamo Noi」(https://www.lalaziosiamonoi.it/)のアレッサンドロ・ヴィットーリ記者に話を聞いた。(取材=倉石千種)
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前監督マウリツィオ・サッリ氏の下では出場機会が限られた鎌田だったが、イゴル・トゥドル監督就任後はリーグ戦3試合連続先発。サレルニターナ戦を含めて直近2試合はフル出場と地歩を固め始めている。
サレルニターナ戦でボランチの一角としてプレーした鎌田について、ラツィオ専門メディア「La Lazio Siamo Noi」のアレッサンドロ・ヴィットーリ記者はどんな印象を抱いているのか。
「司令塔・鎌田の試合だった。重要なサインを感じている。トゥドル監督は常に彼を起用している。常にスタメンだ。今日もルイス・アルベルトはベンチスタートだった。もう鎌田がスタメンになったことを示している」
パフォーマンスについて、自己犠牲的な精神を高く評価するというヴィットーリ記者は守備面のタスクも強調した。
「鎌田は中盤の低い位置からスタートしていたからね。全体をカバーするようにとの指示が出ていたし、守備面の仕事も任されていた。それによって、ゴールに近づけるチャンスは少なく、ゴールチャンスも少なかった。勝利がほぼ決まったあと、最後により前方でプレーしていた程度だ」
鎌田を試合全体で見た時、及第点の働きと見ているヴィットーリ記者は「採点は(10点満点中)6.5をつけた。多くの仕事をしていた。ベシーノとの好連係、他の試合よりも縦パスを成功させていた。対戦相手はそれほど強くないチームだが、よくやっていた」と称えている。
「今日いい試合をしたと思う、運動量もかなりあったし、ドリブルなどのクオリティーも良く、マティアス・ベシーノといい連係も見せた。シーズン当初はネガティブな印象だったが、ゆっくりとローマに慣れていっている。来季に向けて鎌田の考えが変わる可能性もある」
チームは現在リーグ7位につけ、リーグ戦は残り7試合。また今月23日にはコッパ・イタリア準決勝第2戦のユベントス戦(第1戦は0-2敗戦)も控えるなか、終盤戦の鎌田に注目が集まる。
倉石千種
くらいし・ちぐさ/1990年よりイタリア在住。1998年に中田英寿がペルージャに移籍した時からセリエAやイタリア代表、W杯、CLをはじめ、中村俊輔、本田圭佑、長友佑都、吉田麻也、冨安健洋など日本人選手も取材。バッジョ、デル・ピエロ、トッティ、インザーギ、カカ、シェフチェンコなどビッグプレーヤーのインタビューも数多く手掛ける。サッカーのほか、水泳、スケート、テニスなど幅広く取材し、俳優ジョルジョ・アルベルタッツィ、女優イザベル・ユペール、監督ジュゼッペ・トルナトーレのインタビューも行った。