浦和の攻撃にチグハグ感…「出し手と受け手合わない」工夫なきロングボール策に覗く課題

柏戦で攻撃が機能しなかった浦和【写真:Getty Images】
柏戦で攻撃が機能しなかった浦和【写真:Getty Images】

柏レイソルとのアウェー戦で攻撃機能せず0-1敗戦

 浦和レッズは4月12日にJ1第8節で柏レイソルと対戦して0-1で敗れた。ペア・マティアス・ヘグモ監督は背後のスペースを狙おうとしたと話したが、その過程での工夫がなく脅威を与え切れなかった。

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 浦和は3試合連続スタメンだったMF岩尾憲が登録メンバーから外れ、入れ替わるようにMF小泉佳穂が戻った。浦和は両ウイングを生かそうとする一方で、柏は非常にコンパクトなブロックで左右のスライドも忠実に行い、大きなチャンスがなかなか生まれない試合展開になった。

 小泉は組織的な柏を相手に「前半で勝負が決まるような打ち合いではなく堅い試合になると思った。間が簡単に空いてくる相手ではないので、どれだけ振り回して空いてくるのを待てるか我慢比べになると思った」という見通しを持っていたという。

 一方で、ヘグモ監督は試合後の会見で「本日は相手の背後に大きなスペースがあったので、そこを狙おうと思ったが、出し手と受け手のタイミングが合わなかった」と話した。しかし、柏の準備が整った状態で蹴るロングボールには効果があまりなく、昨季途中で浦和から柏へと移籍したDF犬飼智也は、前線のコース限定があったことを前提にしながらも「狙いどおりの守り方。あれだけ蹴ってくれたら、こちらはサイドバックもしっかり競れる選手なので」と、想定内でコントロールする守備ができたと話す。

 全体にシンプル過ぎる背後狙いが多い印象の試合だったが、FW松尾佑介は「それはあると思うし、そういう話も試合後にした」として、「相手が跳ね返したりセカンドボールに対処したりが得意なチームだったのに、その土俵に乗ってしまった。シンプルに入れ過ぎたせいで、相手が後半にガクッて落ちることがなかったのが攻め切れなかった要因とも思う」と話した。

 浦和は最終ラインから中盤になかなかボールが入らず、MFサミュエル・グスタフソンが左右に動きながらセンターバックとサイドバックの間に入り、柏のプレスにズレを生む場面もあった。「このような相手に対して持っている解決策の1つだけど、本来は相手のストライカーのうしろに立っていたい。ただ、それでなかなか絡めないのであれば、ほかのスペースを探さないといけない」と話すグスタフソンの動きから突破の可能性を感じさせる場面はあったものの、そのズレを前方で効果的に利用するほどの機能性は見せられなかった。

 このような誰かの動きに呼応して次の動きを連動させていくという面では、まだまだアドリブの状態が多い。ヘグモ監督は「ゲームを通じて攻撃で少し苦しんだ。相手が非常にまとまったチームだったというのは1つの要素だったと思う。攻撃面での選手の関係性のところにはまだ時間が必要なところが見えた。今日のスタメンには、昨季から見ると7人の新しい選手がいた」と話したが、組織力のある相手を崩していく質を見せるには至っていない。

 もっとも、前半9分にグスタフソンのコーナーキックにFWチアゴ・サンタナが合わせたシュートが入っているようなことがあれば全く違う展開になるのもサッカーだが、浦和にはまだまだ乗り越えるべき課題が多いことを示すような試合になった。

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