浦和ヘグモ流、なぜ機能不全に? 4-3-3の“問題点”「それが停滞感を生んだ」
J1第8節アウェー柏戦で0-1敗戦
浦和レッズは4月12日のJ1第8節で柏レイソルとアウェーで対戦し、0-1で敗れた。柏のコンパクトな守備陣形を崩せず枠内シュートはわずか1本に。この試合で浮き彫りになった問題点について、「DAZN」で解説を務めた林陵平氏が鋭く踏み込んだ。
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今季初の連勝を狙った浦和は4-3-3システムを敷き、両ウイングを生かそうと試みるも、コンパクトなブロックを形成した柏の守備を崩せずチャンスが生まれない試合展開になった。ハーフタイムを挟み試合はスコアレスで進んだなかで後半27分、マテウス・サヴィオに自陣左サイドからクロスを許すと、FW木下康介に決められ先制点を許す。
その後、ヘグモ監督はMF安居海渡とFW興梠慎三を投入し、MF中島翔哉を左サイドに配置した4-4-2にして同点ゴールを狙った。しかし、柏の堅実なブロックを最後まで攻略できずこのまま試合終了。シュート数は8対14と大きく下回り、90分を通じての枠内シュートはわずか1本だった。
スポーツチャンネル「DAZN」で解説を務めた林氏は、攻撃が機能不全に陥った浦和の問題点に注目。「浦和の4-3-3に対しての柏の4-4-2、2センターバックを牽制された時に、(サミュエル・)グスタフソンをフリーな状況で使えなかった。フリーな状況で使えない時にインサイドハーフが上手く絡めたかというと、前半はインサイドハーフの2人がボールに触れなかった。それが停滞感を生んだ」と指摘した。
この試合、インサイドハーフにはMF小泉佳穂、MF伊藤敦樹を配置。アンカーのグスタフソンを含めた3人の有機的な連係が見られたシーンはあまり見られず、逆に柏の逆襲を浴びる場面が目立った。林氏はさらに「状況に応じて、グスタフソンが少し左に落ちてボールを引き出し始めてから流れは良くなったが、後半そこからどう変わっていくか見ていたら全体での共有ができていなかったので、良い攻撃がなかなか出なかった」と鋭く踏み込んだ。
後半27分に許した決勝被弾の場面では、守備面での課題が露わに。自陣ペナルティーエリア内で木下にシュートを許す直前、ゴール前のスペースを埋め切れない緩慢な対応が目についた。グスタフソンがサイドに引っ張られていたため、ゴール前に入っていた伊藤には危機察知の判断が求められたところでの痛恨の失点だった。
アウェーでの1敗で、直近3試合では1勝2敗と黒星が先行。ペア・マティアス・ヘグモ新監督を迎えたチームが波に乗るには、もうしばらく時間がかかりそうだ。