浦和監督、3か月で実感「ヨーロッパと日本の差」 チーム復調傾向「怪我の予防にもつながる」
浦和ヘグモ監督は「ジムの文化かもしれない」と言及
J1浦和レッズのペア・マティアス・ヘグモ監督は、4月10日のトレーニング後に定例のオンライン会見を実施。来日からほぼ3か月が経ち、チームを指導しているうえで感じたことについて「ヨーロッパと日本の差がどこにあるかと言えば、(トレーニング)ジムの文化かもしれない」と話した。
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浦和は7日のサガン鳥栖戦で3-0の快勝を収め、12日には柏レイソル戦を控える。7試合を終えて12得点はリーグトップタイで、10失点は課題だが鳥栖戦では相手に決定機を作らせずに無失点で終えた。
ヘグモ監督は勝利の結果を受け「チームで良くなっているのはチャンスメークの数と得点だと思う。それは、公式戦でも見られるようになってきた。相手の背後のスペース、ウイングやインサイドハーフの裏に抜けるプレーが見られるようになり、そこからチャンスを作れるようになってきた。守備では選手同士の距離感も良くなっているし、強度も上がっている」と話した。
そのうえでヘグモ監督は「まだまだ、伸ばせると思う」と改善の余地があると話すが、1月の始動から約3か月間はキャリアで初めて日本人選手たちを指導してきた。「『日本人選手』と一般化することは難しいとは思う」としたものの、欧州での指導と違いを感じた部分も言葉にしている。
「浦和に来て初日からアプローチしているのは、練習を通じて常に集中を続けることだった。ヨーロッパと日本の差がどこにあるかと言えば、ジムの文化かもしれない。ジムでそれぞれが補強をする部分だと思うが、そこにも個々の違いはあるだろう。そして、練習でも試合でも強度を上げようとしているが、そのためにもジムでのトレーニングは必要なものと言えるだろう。それが怪我の予防にもつながる」
例えば、居残り練習といえば走り込みやピッチ上での技術的な課題を集中して取り組むことにフォーカスされがちだが、トレーニングジムでマシンを使うなどして補強するメニューはあまりフォーカスされない傾向があるかもしれない。
一方でヘグモ監督は「選手たちの技術レベルは非常に素晴らしく、姿勢もいい。モチベーションの部分も気に入っている。私自身も彼らと仕事をすることに高いモチベーションを持っているし、毎日少しでも成長しようと話している。チームのコンセプトに非常に忠実だと思う。選手たちを見るとチームコンセプトや個々の成長について議論し合って進んでいるし、彼らもそこに参加している。チームの構造はあるが、自らが考えてプレーすることで創造性も生まれてきていると思う」と、姿勢の部分についても話した。
指揮官は、トレーニング全体は戦術的ピリオダイゼーションに基づく進め方をしているとして、「最初は怪我人も出たが、コントロールするようにしている。これを続け、来年6月にアメリカであるクラブ・ワールドカップ(W杯)で、さらに高まった戦術的、フィジカル的、技術的な質を見せられたらと思う」と、最大の目標を約1年後に挑む国際舞台に置いた強化を進めていると話した。
まだまだ不安定な部分も垣間見せている浦和だが、得点数だけでなく作り出しているチャンスもここ数シーズンになく増えてきている。ここからチームがどれだけ発展を見せられるか期待される。
(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)