日本中で増幅する「セレ女」と「フォル男」 セレッソ大阪のムーブメントに見るJリーグの可能性

Jリーグからブラジルへ

 この試合、セレッソ大阪、とりわけフォルランの世界基準のプレーを目当てにして訪れたファンにとっては、いささか期待外れな結果・内容だったかもしれない。FC東京のディフェンス陣の前に、沈黙してしまったからだ。

 しかしそれは見方を変えれば、FC東京のディフェンス陣が世界基準のストライカーに対抗しうるだけの力を備えていると、証明したとも言える。

 この2014年6月、ブラジルの地でワールドカップか開催される。その舞台で戦う選手たちは、間違いなくこのJリーグという舞台からも数多く選出されることになる。フォルランという世界基準を抑えきったFC東京の森重真人や権田修一といった選手は、当然その有力な候補となる。わずか2ヶ月後には地球の裏側で、日本代表として世界を相手に戦うことになるかもしれない。

 他のJリーグのクラブの選手だって同様であるし、もしかすると、今まで一度も招集されたことのない選手が選出される可能性だって、ゼロではない。そんな彼らが、6月に世界最高峰の舞台で活躍し、その後には海外へ移籍することになるかもしれない。そんな無限の可能性を秘めた選手たちが日々しのぎを削っている。それがJリーグなのだ。

 世界基準の力を備えているのは、決してフォルランだけではない。スタジアムで五感を研ぎ澄ましてほしい。自分の目で、耳で、肌で直接感じ取ってほしい。そうしてそのような選手を探してみると、6月のワールドカップが更に面白くなるに違いない。ワールドカップの前に、是非ともそんなJリーグを生で観てもらいたい。

【了】

野口学●文 text by Manabu Noguchi

今、あなたにオススメ

トレンド

ランキング