日本中で増幅する「セレ女」と「フォル男」 セレッソ大阪のムーブメントに見るJリーグの可能性

2012年から見られたセレッソ人気の兆し

 ⑤2011 セレッソ ホーム入場者数

⑥2012 セレッソ ホーム入場者数

⑦2013 セレッソ ホーム入場者数

 まずは2011年シーズンから。これを見ると、前年度シーズンと比較して、特段目を引くようなことはない。ベガルタ仙台、鹿島アントラーズ、浦和レッズとの試合だけは前年度比で大きく伸びを見せているが、それ以外では、仕方ないとは言え平日開催では大きく落ち込み、土日祝日開催でも前年度とあまり変化がない。

 それでは、2012年と2013年はどうか。

 2012年を見ると、前半戦は2011年と同じく、大きく目を引くものはない。柏レイソル、浦和レッズとの試合だけは過去2季と比較して大きく伸びているが、それ以外は前年度とあまり変化がない。だが、8月の横浜F・マリノス戦以降、全てが過去2期比で120%を超えており、急激な伸びを見せ始めている。

 そして2013年は、前半戦からほとんどの試合で過去3期比が120%を超えている。それどころか、平日開催のサガン鳥栖戦以外は、全てプラスに転じているのだ。これらのことから言えることは、セレッソ・ムーブメントは実は2012年夏から既に始まっていたということである。

 勘の良い方ならお分かりだろう。これは、ロンドン五輪が大きく影響しているものと考えられる。

 ロンドン五輪の日本代表には、セレッソ大阪から山口蛍、扇原貴宏、杉本健勇(五輪時は東京ヴェルディへレンタル移籍中)の3人が選出されていた。そしてこの大会で、日本代表は前評判を覆し、ベスト4と快進撃を見せてくれた。

 五輪ともなると、東アジアカップに比べても非常に露出度が高い。普段はサッカーに興味がない人も、かなり多くの人がこの3人をテレビで目にしたことだろう。ライト層への訴求効果は圧倒的で、ここがセレッソ・ムーブメントのスタートであったと考えるのが自然である。

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