日本中で増幅する「セレ女」と「フォル男」 セレッソ大阪のムーブメントに見るJリーグの可能性

なぜセレッソ・ムーブメントは生まれたのか

 そもそもとして、セレッソ大阪は決して入場者数に秀でたクラブとは言えなかった。表4を参照してもらいたい。これを見ても分かるように、2010年にJ1に再昇格して以降、入場者数は凡庸と言っていい数字だ。

 ④セレッソ シーズン入場者数一覧

 こうして見ると、やはり昨年8月以降に急激に入場者数が伸びていることが分かる。やはり、セレッソ効果というものが間違いなく存在していると、数字の上でも証明されたと言えるだろう。

 では、なぜセレッソ・ムーブメントは生まれたのだろうか。

 昨年8月以降になって急激に数字に表れていることを踏まえ、日本代表が優勝を果たした東アジアカップの影響が大きいと言われている。この大会で日本代表に選出されたセレッソ大阪の選手、特に柿谷曜一朗、山口蛍の活躍がライトなファン層への訴求力につながった。そして、彼らの端正なルックスに魅せられた女性たちがスタジアムや練習場へと顔を出したことで、ファンサービスに感動して新規顧客の開拓にもなった。

 と、そう考えられている。東アジアカップの影響は間違いなくあったであろう。だが、果たしてそれだけが理由なのだろうか。

 ここでまた、いくつかの表を参照してもらいたい。表5から表7は、セレッソ大阪の2011年シーズンから2013年シーズンまでのホームゲーム入場者数である。特に注目して欲しいのが、最右列である。この列は、対戦相手クラブとの対戦時の過去の入場者数の平均値を出して比較したものである(セレッソ大阪がJ1に再昇格した2010年以降)。

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