キャンプでCチーム扱い→控え→代役先発 浦和新加入DFが「久々に楽しかった」と胸中吐露
酒井宏樹の欠場で石原がスタメン起用
浦和レッズのDF石原広教は、4月7日のJ1リーグ第7節サガン鳥栖戦で移籍後の初スタメンのピッチに立った。3-0の勝利で終わった試合後、「久々に楽しかった。何年ぶりかぐらいの気持ち」と話したが、その真意は「無心でやれた」ことにあるという。
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湘南ベルマーレの下部組織からトップチームまで昇格した石原は、今季に向けて浦和へ移籍。その加入会見では「オファーをいただいた時、レッズを断る理由はないと思ってここに来た」と話した。一方で、ペア・マティアス・ヘグモ監督は同じポジションで欧州でのプレー経験も豊富な元日本代表DF酒井宏樹をキャプテンに任命。沖縄県トレーニングキャンプでは紅白戦に入れない日もあり、その時期のことを「練習生みたいになっていて、Cチームだったので本当に構想外なのかなと思った」と苦笑いして振り返った。
それでも、1つ1つのトレーニングやトレーニングマッチでアピールして、前節のFC東京戦で初のベンチ入り。酒井が膝に違和感を訴えたこともあり、試合終盤に途中出場で浦和デビューを飾った。そして、酒井が欠場となったこのゲームで満を持してスタメン出場になった。
試合が始まればボール際の強さや攻撃参加といった、派手さはなくも堅実で質の高いプレーを披露。途中ではPK獲得かという攻撃参加も見せ、改めて選手としてのレベルの高さを見せる90分間になった。
その試合後、石原は「こんなこと言うのはあれですけど、久々に楽しかった。何年ぶりかぐらいの気持ち」と話した。その真意を、湘南と浦和では自身のチーム内における立場が違う部分を挙げた。
「湘南の時は苦しかった。常にプレッシャーを感じながらやっていたし、湘南での立ち位置的にも自分が中心になってやらなければいけないところや、勝利に対しての責任を考えすぎてしまったことがあった。そういうのは今日、取っ払って無心でやれて、後押しがあるなかでやれて楽しかった」
酒井が欠場したこの試合でキャプテンマークを巻いたのはGK西川周作だった。ほかにもMF岩尾憲やFW興梠慎三のように経験豊富な選手もいて、日本だけでなく各国で代表歴を持つ選手も在籍する。そうした中で25歳になったばかりの石原は、前向きにチャレンジしていく姿勢を出しやすいのは確かだろう。
FC東京戦後には、DF佐藤瑶大、MF伊藤敦樹、MF大久保智明を含む同じ1998年から99年生まれの同学年の4人でピッチに立ったことについて「嬉しかった。阿吽の呼吸を作り出したいというのがあるので、一緒の練習、試合もやれるようにやらなければいけないと思う」と話していた。この日も大久保が途中出場したタイミングで全員が同じピッチに立ったが、この世代の活躍が浦和にとっても重要なものになるのは間違いないだろう。
酒井不在を感じさせないほどのプレーを見せた石原は、浦和のホームゲームで素晴らしい自己紹介を済ませたと言えそうだ。