Jピッチで流血…ユニ血で染まり即席で更衣室 ベンチ一丸「壁作って!」指示で着替え完了
東京V・見木のアクシデントにベンチで緊急対応
東京ヴェルディは4月7日のJ1リーグ第7節で柏レイソルと1-1で引き分けた。今季初の連勝を逃したなか、ピッチ外では見事な連係が光った。ベンチも一丸となって戦っている。そんな様子を感じさせたのは、前半16分のことだった。
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MF山田楓喜の先制ゴールでリードした東京Vは、全員がハードワークし、身体を張って柏レイソルの攻撃を防いでいた。相手CK(コーナーキック)を与えた場面では、MF見木智哉がヘディングでハイボールを跳ね返す。ボールを弾き返した見木だが、柏DF古賀太陽と接触して流血してしまう。
頭部の接触で心配されたが、意識はしっかりしていた見木はプレーを続行することになる。しかし、緑のユニフォーム、白のパンツともに血で赤く染まっていたため、着替えてからプレーすることになった。
この時、見木がロッカールームに戻って着替えをしていたら、東京Vはしばらくの時間帯を10人で戦うことになっていただろう。だが、ここで東京Vのベンチの選手たちが円陣を組み、周囲から中が見えない空間、いわば即席でベンチに更衣室を作り出す。見木はそこで瞬時に着替え、何事もなくプレー再開の瞬間をピッチ内で迎えた。
周囲からすれば、予期せぬアクシデント。だが、この時に東京Vの城福浩監督はベンチに入っていたメンバーに「壁を作って!」と短く指示を出しただけで、選手たちが意図をくみ取ってくれたという。ベンチメンバーが小さな円陣を作り目隠しとなり、見木がピッチ上で着替えられる状況を作ったのだ。
この点について城福浩監督は「僕らはここ何試合か、前半のアラートさというのをすごく課題にしていました。ベンチメンバーも、そういう意味ではゲームにちゃんと入っていってくれていたので、『早くピッチに戻さなきゃいけない』という思いで、すぐ行動してくれましたし、前半に良いアラートだったことを示す場面だったと思います」と、振り返った。
惜しくも同点ゴールを許して連勝を逃した東京V。城福監督は「今日は勝ち点3を逃したなという思いが強いです。2点目を取りたかったなと思える前半を過ごせたので、ここ何試合かの課題はクリアできた。そういう前半を過ごしたからこそ、勝ち点3で終わりたかった」と前進を感じつつも勝てなかったことを悔しがった。次節は指揮官の古巣でもあり、東京Vにとって最大のライバルであるFC東京とのダービーを戦う。