藤尾、平河離脱前の川崎戦で1-0の勝利

　町田ゼルビアは4月7日、J1リーグ第7節で川崎フロンターレと対戦し、敵地で1-0の勝利を収めた。町田からはFW藤尾翔太、MF平河悠がパリ五輪アジア最終予選に挑むU-23日本代表に選出され、この試合を最後に1か月間ほどチームを離脱することになるが、黒田剛監督は「日の丸を背負ってやる以上、責任もあるし、国民全員が期待する」とエールを送りつつ、「親心として一番は、怪我なく帰ってきてほしい」と本音も覗かせている。

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　川崎はJリーグ屈指のスピードを誇る平河への警戒を強めていたこともあり、右サイドからの攻撃は比較的少なかった一方、エースとしての立場を確立する藤尾が、同じく代表メンバーに選出されたDF高井幸大とのマッチアップで際立った存在感を発揮する。

　前半9分、高井の縦パスを奪った町田が速攻カウンターを発動し、藤尾が一気にゴール前まで運んで相手GKチョン・ソンリョンとの1対1を迎えるが、この決定機はビッグセーブに阻まれる。それでも前半32分、左サイドを突破したMF藤本一輝がグラウンダーのクロスをゴール前に送ると、ボールは高井のスライディングをすり抜け、走り込んだ藤尾へと届き、今度は確実に押し込んで町田が先制に成功した。

　さらに後半4分、再び藤尾がヘディングでゴールネットを揺らすが、VAR（ビデオ・アシスタント・レフェリー）の確認の結果、直前のプレーでオフサイドを取られ、ノーゴール判定に。同26分にはGK谷晃生がDOGSO（決定的な得点機会の阻止）で一発退場となり、数的不利な状況に陥るが、全員守備で耐え凌ぎ、1-0で勝利。首位を死守している。

　この試合を最後に藤尾と平河はチームを離脱し、パリ五輪出場を目指すU-23日本代表へと合流することになるが、黒田監督は「平河、藤尾の2人をいい状態で気持ちよく送り出していこうということで、点を取って勝って送り出せることを非常に嬉しく思う。約1か月間ないので、彼らがいない穴を残っている選手たちで埋めていきたいと思う」と、勝利して代表に送り出せることに喜びを示していた。

　一方、「日の丸を背負ってやる以上、責任もあるし、国民全員が期待するところもある。それだけの責任を彼らがしっかり感じ、それをプレーに体現して帰ってきてほしい」と代表選手としての責任を果たすようエールを送りつつ、「我々の攻撃陣の軸でもあるので、親心として一番は、怪我なく帰ってきてほしい意味合いもあるけれど、世界の舞台で活躍して大暴れしてきてほしい」と、代表活動で負傷することなく無事にチームに帰還してほしいという本音も覗かせていた。